なんで虫の味もわからん奴らに合わせないかんのだ!――東京虫食いフェスが熱かった:閲覧注意(1/3 ページ)
さあ勇気を出して!
筆者は先日、虫を食べた。去る11月23日に東京・中野で開催された「東京虫食いフェスティバル」でのことだ。今回で4回目になるこの通称虫フェスは、昆虫の採集でも観察でも飼育でもない、“虫を食べること”について焦点を当てたイベント。公式サイトには、「開催日は、勤労感謝の日。地球生態系における虫たちの働きに感謝する日でもあります」とある。何が何だか……。
プログラムを見ると、タイ・ラオスの最新昆虫食リポートや、食用昆虫科学研究会による活動報告といった研究寄りのプレゼンに始まり、昆虫料理研究家・内山昭一氏や昆虫食ポータルサイト「むしくい」管理人・ムシモアゼルギリコ氏、虫ガールブロガーのメレ山メレ子氏などが繰り広げる虫トーク、「星舟庭」による虫ソング&朗読のパフォーマンスまで用意されている。そして、最後には、世界初の「昆虫料理アワードグランプリ」を実食&審査するとのこと。
筆者は“ソッチ側”の人間ではないので、虫フェスについてもごく一部の虫を食べる人種が細々とよろしくやっているイベントなのかと最初は思っていた。だが、いざ会場に潜入すると、客席には開演を待ちわびる人、人、人! そして、会場後方の、虫料理を販売する屋台ゾーンは、中が見えないほどの行列が……。
店員さんにオススメを聞いてみる
世の中にはこんなにも虫食い人が多かったのか。日本は一体どうなっているんだ……。屋台に並ぶ人々は「何食べるー?」「バッタおいしそうじゃない?」「いや、でも全部食べたいな」「とりあえず全部いっとくよね」ときゃあきゃあ相談し合う。心から楽しそうだ。
来たからには、開演までに少しでも虫料理と仲良くなっておくべきなのか……逡巡したのち、おそるおそる屋台をのぞいてみることに。メニュー表には、バッタ、アリ、蚕――とよく知っている虫の名前がずらり。バッタは草むらを飛び回るもの。アリは庭の隅をちょろちょろ歩くもの、のハズが、目の前には変わり果てた姿となった虫たちが料理として並んでいた。
筆者 どれが食べやすいですか?
屋台の店員Aさん 茶飯は普通の茶飯ですよ。蚕の糞を煮だしたお茶で炊いたご飯なだけで。
屋台の店員Bさん バッタもシラスみたいでおいしいですよ! 形はバッタそのものですが。
筆者 いやいやいやいや、その“形”が大問題じゃないですか!
屋台の店員Cさん じゃあ、アリジャムかなぁ? これなら普通のイチゴジャムの味だよ。
検討の結果、アリジャムを食べてみることに。確かに味は普通のイチゴジャムだ――時折、プチッとした不思議な食感のものが舌に当たる以外は。
屋台の店員Cさん 「イチゴジャムの中に、蟻の卵と成虫と幼虫が入ってるんですよ」
筆者 ……(聞かなきゃよかった)
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