2ちゃんねるまとめサイトの連続炎上騒動 10サイト以上が閉鎖する事態に
複数の2ちゃんねるまとめサイトを対象に騒動が起きている。ドメイン名の登録情報を検索するという手法で管理人の個人情報を特定。これを悪用した迷惑行為が発生し、“祭り”はエスカレートしているようだ。
2月7日頃から、2ちゃんねるの「なんでも実況J」板を中心に、複数の2ちゃんねるまとめサイトを対象とした“祭り”が行われている。主に、ドメイン名の登録情報を検索するという手法で、管理人の個人情報を特定。これを悪用した迷惑行為などが横行し、一連の騒動により10サイト以上が閉鎖する事態になっている。
発端は、同板のユーザーが作成した画像トラップ(偽装gif)。これを掲載したポケモン系まとめサイトが炎上し、管理人がwhois情報に本名で登録していたことから、在籍中と思われる大学名まで特定されてしまう。すると、同大学には「アフィリエイトサークル」が存在するとの情報(チラシ画像)も投稿され、“祭り”の勢いは加速した(それから、同サークルに関する憶測がいろいろと飛び交ったが、現時点では事実関係を確認できていない)。
特定に使われたwhoisとは、ドメイン取得者の情報をインターネット上で参照できるサービス。取得者情報は原則公開とされているが、個人情報を伏せたいユーザー向けに代理公開をするサービスもある。しかし、きっかけとなったサイトが直に登録していたことから、「ほかにもあるのでは」とそれ以外のサイトの確認へと発展し、多くのまとめサイト管理人の個人情報が明らかとなった。
そこには、アニメ系の人気サイトや、保守系の大手サイトもあった。特に、前者の管理人は、昨年の2ちゃんねる個人情報流出事件でも被害を受けていたため、ほかのサービスのID・パスワード、クレジットカード情報まで公開され、Twitterアカウントも一時乗っ取られたようだ。もちろん、こうした不正アクセスは法律で禁じられている。
現在も、多方面で炎上が継続しているが、気になるのは当初のターゲットとなったサイト管理人への迷惑行為がエスカレートしていることである。騒動のまとめサイトによると、同氏が「エントリーさせられた企業・団体一覧」として、あ行「アルカイダ(メールにて入隊申し込み完了)」「イスラーム聖戦(メールにて入隊申込み完了)」、か行「幸福の科学(実家の住所で資料請求完了)」「コロンビア革命軍(メールにて入隊申し込み完了)」、さ行「シルクロード($0コカイン取寄せ済)」……など、冗談にしても厳しい項目が40件以上書き込まれている。
今回の連続炎上騒動は、その明確な“ゴール”が不明ということもあり、今後もしばらく続く可能性がある。大事にならないことを願うばかりだ。
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