掲載2日前に連載中止となった漫画、完成&電書化めざして資金募集中 応援コメントに諫山創や佐藤秀峰
突然の掲載中止が話題になった「あいこのまーちゃん」。作者のやまもとありささんがクラウドファンディングサイトで企画を立ち上げた。
連載2日前に編集部から掲載中止を告げられて話題となった漫画「あいこのまーちゃん」。この完成・電子書籍化を目指して、作者のやまもとありささんがクラウドファンディングサイト「FUNDIY」で資金を募集している。「進撃の巨人」の諫山創さんや「ブラックジャックによろしく」の佐藤秀峰さんら漫画家も応援コメントを寄せている。
「あいこのまーちゃん」は、Web漫画サイト「コミックぜにょん」でやまもとさん初の連載作品となるはずが、コアミックス編集部により倫理的に問題があると判断され、掲載2日前に連載中止が伝えられた。中止の経緯をやまもとさんがブログで公表したことで話題になり、佐藤さんが立ち上げたWeb漫画サイト「漫画 on Web」で第1話が無料公開された。
今回のプロジェクトは、同作の完成(完結)と電子書籍サイトでの販売が目的。目標金額は100万円で、6話分の執筆費(約100ページ)と電子書籍化費、宣伝用カラーイラスト制作費、支援者へのお礼商品制作などに使われる。
やまもとさんはプロジェクト立ち上げた理由について、「ここまで自分が、自分で描いたキャラクターに感情移入し、愛おしいとおもった事はありません」と作品への想いを明かしつつ、「1話をネットで公開した所、本当にたくさんの方に作品を読んで頂き、反響を頂きました。続きを読みたいというお声も頂きました」とコメントしている。
やまもとさんにアシスタントをしてもらっていた諫山さんも応援コメントを公開。「見た感じはポップで可愛らしい絵柄なのに、この作品で描かれようとしている物は社会から何となく『見ちゃいけません』とされるものであり、身も蓋もない現実」と作品のテーマを評しつつ、「テーマに対し、忠実で、正直で、倫理的で、完成度が高い。(中略)要するに、やまもとありささんが恐いです」と結んでいる。
佐藤さんは、「連載開始2日前に掲載中止となったいわく付きの作品ですが、その本質は性に目覚め始めた少女の内面を描き出さんとする正統派の物語」と評価。「『性器がしゃべる』という奇抜な設定とは裏腹に、描写はとても丁寧で、そこで語られる少女の心情やエピソードの積み重ねには、作者の誠実さを感じます」
支援プランでは、1500円以上で全11話がPDFファイルで読めるよう設定されている。締め切りは10月14日まで。8月15日のプロジェクト開始からおよそ4時間30分で約20万円の資金が集まっている。第1話は現在も「漫画 on Web」で無料公開中。
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