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Twitterの「やられたね」で人気になったビカスさんは今――ステーキ店をオープンしたので行ってきたよ!あれから4年

Twitterで大人気となったカレー店「だいすき日本」の店主・ビカスさんが、新たにステーキ店をオープン。そこには店主と客との温かい絆があった。

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 2010年、Twitterで「ごめんなさい きようも おきやきさん きませんでした やられたね」など、悲し過ぎるツイートを投稿して大人気となり、一躍時の人となったカレー店「だいすき日本」のネパール人店主・ビカスさんを覚えているだろうか? あれから4年経った今、ビカスさんがステーキ店「STEAK & BURGER だいすき日本」をオープンしたという情報をキャッチし、さっそく足を運んできた。場所は東武東上線中板橋駅北口から徒歩5分、だいすき日本の2軒隣だ。

 先月15日にオープンしたばかりのこのお店。看板には「STEAK & BURGER」とあるが、しばらくの間はステーキとおつまみ類のみ。店内は15席ほど。

 ところが、オープンを間近にした先月10日、ビカスさんは「【緊急告知】15にち みせ オプソしたい 、しかし バイト が みつから ない」とツイート。アルバイトが見つからないままのオープンとなり、今現在もビカスさんが1人でキッチンとホールをこなしている。

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9月10日のツイート
こちらは9月22日のツイート

店内はカウンターとテーブル席

 ネパールと言えばカレー。しかし、今回はなぜ、そのイメージからかけ離れたステーキ店をオープンすることにしたのだろうか。実は、ビカスさんは来日した20年前から料理の仕事をしており、当時はイタリア料理店や洋食屋で働いていたという。そこでステーキを焼いた経験があり、またキッチンに立ってステーキを焼きたくなったとのこと。

 また、ビカスさんはこんな思いも語ってくれた。「最初はTwitterを見て来てくれたお客さんが9割だったけど、最近はほとんど地元の人。Twitterのお客さんは遠くから来てくれるから、たまにしか来られないでしょ。カレー屋を閉めたらお客さんが悲しんじゃう。僕は芸能人でもないのに、ネットのお客さんは僕のことを心配してくれる。Twitterのお客さんがいなかったら国に帰っていたと思う。夜にステーキ屋をやれば、その売り上げでカレー屋を残せるから」

 オープン当初、中板橋の地元の人たちがカレー屋に立ち寄ることはほとんどなかったが、現在は地元の人たちがお客さんの大半を占める。筆者が取材に訪れた前の晩、ステーキ屋は大盛況だったという。「昔は翌日にでも中板橋から引っ越したかったけど、今は、ずっとここで暮らしたい」とビカスさんはうれしそうに語った。


笑顔がチャーミングなビカスさん。少しでも時間があればジムでウェイトトーレニングをして汗を流すということで、超マッチョ!

 では、ステーキに舌鼓をうとうとメニューを広げた瞬間、「このメニューもお客さんがボランティアで作ってくれているの」とビカスさん。お客さんが「メニュー、作ってあげるよ」と、USBメモリにデザインやテキストデータを入れてくれるそうだ。そのメニューを見た別のお客さんが、「ここ、こういうふうに変えた方がいいんじゃない?」とアイデアを出し、さらにそのデータを修正して、数人で作成しているという。今も、価格の間違いを見つけたため、修正待ちで手書きとなっている。ビカスさんの人柄に引かれるお客さんによって作り上げられている店と言ってもいい。


フードとドリンクのメニュー

気付いた人がデータを訂正していく、みんなで作るメニュー。次に訂正するのはステーキの価格。

写真もお客さんがスマホで撮ったもの。料理を撮った人が写真を入れてくれるので、ページが増えていく

 カレー屋では調理をコックに任せていたため、ステーキ屋で5年ぶりにキッチンに立つようになったというビカスさん。「熱い鉄板の前に立てるのは楽しい」と言いながら、手際良くステーキの付け合わせの調理を始める。「嫌いなモノない? トマト大丈夫?」と尋ねられた。筆者は嫌いなモノがないので何でも大丈夫と答えたのだが、日やお客さんの好みによって付け合わせを変えてくれると言う。「毎日同じじゃ飽きちゃう。お客さんが別にサイドメニューのポテトを頼んでいたら、付け合わせは別のものにする」という心遣いがうれしい。

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肉を焼いているビカスさん

 ステーキのソースも、ガーリックバターソース、リンゴ&タマネギソース、赤ワインソースから選べる。一番の人気はガーリックバターソースということで、筆者もそれを頼んだのだが、ガーリックバターと赤ワインを混ぜたオリジナルソースを作ってくれた。

 約10分後、ジュージューとおいしそうな音をたてながらステーキが運ばれてきた。焦げ目がしっかりついておいしそう!


ソースがグツグツ音をたてている。付け合わせはポテト、ポークビーンズ、インゲンマメ、トマトのガーリック焼き

肉が分厚い! これは180グラム

 ステーキをナイフで切って口に入れると、歯ごたえのある肉に香ばしさと酸味のきいたソースがからんでおいしい。かむと甘い油が口中に広がる。180グラムは多いかもしれないと思っていたのだが、ペロリと完食。余裕で300グラムたいらげる男性もいるという。

 Twitterのお客さんも地元のお客さんも大切だと言うビカスさん。現在は、Twitter経由で爆発的に知名度が上がった2010年当時ほどの勢いはないが「池袋に来たついでに中板橋のビカスさんのお店に行こという気持ちもうれしい、そういうお客さんもまだ残っている」と話す。ビカスさんの目標は「手と足が強くなって、いつまでも元気で仕事を続けること。外見は変わっても中身は変わらないままでいたい」とのこと。

 「だいすき日本」には、飲食店の枠を超えた、店主と客、客同士のコミュニケーションがある。人とのつながりが希薄化していると言われる現代、ここに行けば、温かい料理でおなかが癒やされるだけでなく、心まで温かくなるはずだ。

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店鋪情報

STEAK & BURGER だいすき日本

東京都板橋区中板橋26-2

(ネパール創作ダイニング だいすき日本の2軒隣)

東武東上線 中板橋駅より徒歩約5分

電話:03-3964-9775

営業時間:18:00~24:00

定休日:火曜日

Webサイト:http://daisuki-nippon.com/sandb.php

ブログ:http://daisukinippon.hatenablog.com

姫野ケイ

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