ボーイズラブ・百合・2.5次元、そして……”男の娘” 「ユリイカ」2015年9月号にて“男の娘”特集が掲載!
不思議、魅惑的、そして案外すぐそばにいる存在?
青土社が刊行している総合文芸誌「ユリイカ」9月号にて特集「男の娘-“かわいい"ボクたちの現在-」が掲載されています。
詩や詩論を中心とし、現代思想やサブカルチャー論を扱ってきた「ユリイカ」。これまでにはボーイズラブ、百合、2.5次元などの特集が組まれ、その都度話題になりました。
今回は「ストップ!!ひばりくん」から「変[HEN]」「ハヤテのごとく」……など、マンガやゲーム、さまざまなフィクションに描かれてきた“少女に見まがうばかりの少年キャラクター"に対して用いられてきた呼称「男の娘」に焦点を当てています。源流としての神話や歴史、コンテンツに現れる表象の分析、創作者たちの対談を通して“男の娘”をめぐるまなざしとその営為に迫る内容だそうです。
特集内容
対談
女装男子は一日にしてならず、いわんや男の娘をや/ふみふみこ+秀良子
常に傍らにありし者たち
トランスジェンダー文化の原理 双性のシャーマンの末裔たちへ/三橋順子
“男性差別”社会の癒やし 女装男子の歴史と現在 /佐伯順子
「女の子になりたい男」の近代 異性愛制度のなかの〈男の娘〉表象 /樋口康一郎
別なきもののパンセ
超克される性/別 〈男の娘〉という存在論/大島 薫 聞き手=編集部
〈かわいい〉をめぐるエポケーとその諸条件 /阿久津愼太郎
男の一生よりも刺激的な女の一夜/さつき
女装と男の娘の容姿と身体 /あしやまひろこ
自由と抑圧のはざまでかわいさを身にまとう/田中東子
ヘルマフロディトスの身体 オブジェとしての男の娘は如何にして誕生し、何を求めるのか/柴田英里
攪乱される描画
境目と境界の漸近線 『境界のないセカイ』の向こう側 /幾夜大黒堂 聞き手=編集
大きな声ではいえないオトコノコ漫画の秘密 /永山 薫
彷徨う者たちの倫理 来るべき志村貴子論のために /日高利泰
BLに「男の娘」がいないわけ 「BL進化論」の立場から考える /溝口彰子
男の娘のメカニズム その見られ方、読まれ方 /泉 信行
または“愛”の名において
“オトコノコ”はどこにいる /井戸隆明 聞き手=編集部
魅せ(られ)た男たち 《男の娘》一〇年の軌跡 /椿かすみ
「男の娘」への愛と傷と鏡 /水野 麗
彼女から生えているのは「ぼくのと同じちんぽ」だ/二村ヒトシ
〈男の娘〉はどこにでも
ショタ・女装少年・男の娘 二次元表現における「男の娘」の変遷 /吉本たいまつ
時流に敏感で、さまざまなテーマを柔軟かつ丁寧に取り上げてきた「ユリイカ」ならではの特集。興味がものすごくある人も、そうでもない人も、“男の娘”というどこか魅惑的で不思議な存在について探求するきっかけとなりそうです。
(高城歩)
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