「男性限定おかしい」　苦情受けたももクロ「男祭り」、予定通り開催が決定　直前に内容変更は難しいと判断

　アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が10月31日に大宰府政庁跡（福岡県太宰府市）で開催する男性限定コンサートが、市民団体から「公共の場で性を限定したイベントをやるのはおかしい」と苦情を受け、13日に太宰府市長から内容の変更を申し立てられました。所属事務所のスターダストプロモーションは14日、開催まで3週間を切ったなか変更は難しいとして、コンサートは予定通りの内容で実施すると発表しました。

　コンサートは「水城・大野城築造 竈門神社創建1350年 九州国立博物館 開館10周年 日本遺産認定記念 ももクロ男祭り2015 in 太宰府」。太宰府市や太宰府天満宮など7つの市内団体からなる実行委員会が計画し、参加できるのは男性客のみです。ももクロの性別限定ライブ「男祭り」「女祭り」は2011年から定期的に行なわれている人気企画。男祭りは約3年ぶり、3回目の開催となります。

　苦情を出したのは太宰府市の市民団体「男女共同参画を進める市民ネットワーク」。市も関わる実行委員会が大宰府政庁跡という公共の場で性を限定したライブを行なうのは、「太宰府市男女共同参画推進条例」が定める「男女が均等に文化的利益を享受できる社会の形成」に反するというのが主な理由です。太宰府市の芦刈茂市長は13日、実行委員会に「コンサート名を変更すること」「性別を限定しないチケットの販売すること」を要請。委員会はスターダストプロモーションと検討します。

　太宰府市文化学習課によると、開催まで3週間を切ったなかでコンサートの内容を現状から変更するのは影響が大きすぎるため難しいと、スターダストプロモーションは判断。市の要請は断り、コンサート名も男性限定も予定通り開催することを決定しました。

　ももクロの性別限定ライブが歴史的施設で開催されるのは初めてではなく、男祭りは2012年に武道館で、女祭りは2012年に武道館、2014年に大阪城ホール（大阪城公園内）で開催されました。男性・女子限定ライブは人気ラップグループ・RIP SLYMEも行うなど、さまざまな音楽アーティストが催してきた企画。ほかにも未成年、親子、カップルなど、客層を限定することで特別な空間づくりを狙うライブは、近年数多く開催されています。

（黒木貴啓）