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17年前のゲーム「エアガイツ」で“ゲーム崩壊レベルのバグ発覚”は本当か → 現役プレイヤーが反論「エアガイツはまだ終わっていない」

少なくとも「17年越しのバグが発見され、対戦バランスが崩壊した」というのは誤解のようです。

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 対戦格闘ゲーム「エアガイツ」を長年愛し続け、今年1月には17年ぶりの「世界大会」を実現(関連記事)、現在も定期的に「対戦会」を開催していた「あ~る・滝」さんが、Twitterで「次回でエアガイツ対戦会を終了する」と発言し、波紋を呼んでいます。

 また、この件に関連して「17年越しのバグが発見され、対戦バランスが崩壊した」といったツイートやまとめも広まっていますが、現役のエアガイツプレイヤーに聞いたところ、「少なくとも1年以上前には見つかっていた技で、強力ではあるものの対抗策がないわけではない」とこれを否定。これで「エアガイツが終わった」と判断するのはまだ早計とのこと。

あ~る・滝さん(写真は1月の世界大会時のもの

問題となった「バグ技」とは

 発端となったのは、12月6日に「高田馬場ゲーセン ミカド」で行われていたゲーム大会での一幕(ティファvsサスケ戦)。試合の様子はニコニコ生放送のタイムシフトに残っていますが、内容はかなり一方的で、ティファ側が高威力・ガード不能の飛び道具を連射し、対するサスケ側はほとんどなす術もなく完封されてしまいます。

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ニコニコ生放送のタイムシフト。問題の試合は動画の冒頭、30秒あたりから

 実はここでティファ側が使っていたのが問題のバグ技。本来この飛び道具は、使用するたびに必殺技ゲージを消費し、威力もここまで高くはないのですが、今回のバグを使うと、これをゲージ消費なしで、なおかつ常に「最大ため」状態の威力で撃てるようになります。効果は見ての通りで、対策を知らなければほとんどのプレイヤーが何もできないまま瞬殺されてしまうという強力なものでした。

問題のバグ技。本来は溜め&ゲージが必要な技ですが……(ニコニコ生放送のタイムシフトより
一定条件を満たすと、ゲージ消費なし&常に最大溜め状態で撃てるように(ニコニコ生放送のタイムシフトより
試合はティファ側が圧勝(ニコニコ生放送のタイムシフトより

 その後、この試合を見た滝さんは、Twitterで「今回と次回予定の2016年1月23日(土)を持ちまして、勝手ながらエアガイツ対戦会を終了とさせて頂きます」と、これまで定期的に行ってきた対戦会の終了を宣言。その後のフォロワーとのやりとりで、「皮肉にも世界一自らがシステムの破たんを証明してしまった(※)」「『地道にやり込めば誰にもどのキャラでも頂点を目指す事が出来る』と言う歌い文句で周りに勧めて来た自分は、それを信じてくれた人達を裏切った形になったので、けじめを付ける意味も兼ねて終了することにしました」と、終了を決断した理由について説明しました。

※ティファを使用していたのは、1月の「世界大会」で優勝したプレイヤー「エアガイツ仮面」

 エアガイツを愛していたがゆえの悲しい決断。この滝さんのツイートに対し、同じくエアガイツを愛するプレイヤーからは、「『やりこみ続けるからこそ見える新たな領域』が結果的に悲しい事実を浮き彫りにしてしまった」「こうした形で終わらせなければいけない現実がとにかく切ない」「真面目な人だなあ」といった声もがあがりました。

 なお補足しておくと、ルールで禁止されていないかぎり、大会で勝つためにあらゆる手段を試みるのはプレイヤーとして当然のこと。今回、バグ技を使用したティファ側を批判する声はほとんどあがっていないことも付け加えておきます。

エアガイツはまだ終わっていない

 ただ、今回のバグを受けて「エアガイツが終わった」といった声も広がっていますが、これは滝さんの「けじめ」の部分がかなり誇張されて拡散されたもので、現役プレイヤーの間では「終わったのは定期対戦会だけ、エアガイツは終わっていない」という意見の方が主流のようです。

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 これについて、今も定期的にプレイしているという現役のエアガイツプレイヤーに聞くと、そもそも今回のバグは今になって発覚したものではなく、1年前の世界大会ですでに実戦投入されていたそう(発見された時期については諸説あり、1999年時点ですでに見つかっていたとの声も)。また対抗策がまったくないわけではなく、本来は実戦であそこまで効果的に使うのも難しいため、滝さんの今回の決断はあくまで、「どのキャラでも頂点を目指す事ができる」と周囲に勧めてきた自分への「けじめ」の意味が大きかったのでは――とのことでした。

 実際のところ、「ハメ技」のようなものが見つかっても、プレイヤーによってさらなる新戦術や対抗策が編み出され、今もなお遊ばれ続けているゲームは数多くあります。今回の件を受けて、エアガイツプレイヤーからはむしろ「これからが始まり」と息巻く声もあがっています。

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