ツアーで「セットリストを変えない理由」 ユニゾンのブログが話題に 「地元の人が来れなくなる可能性が上がってしまう」
バンドのツアーの在り方について、音楽ファンが考えるきっかけに。
4月13日にバンド・UNISON SQUARE GARDENが公式ブログで公開した、ワンマンツアーでセットリスト(演奏項目)を変えない理由が注目を集めている。
執筆したのはベースの田淵智也さん。最新アルバム「Dr.Izzy」の全国ツアーを開催するに当たって、バンドにとってのツアーの在り方について考えをつづった。
その中盤、自分たちがツアーでどの公演でも演奏項目を固定するこだわりについて説明。会場限定曲や最終公演のみ1曲増やすといったバンド側のサービス精神に、「ファンなら当たり前」と応えるつもりで複数回来られるのは「ちっとも気持ちよくはない」と明かした。「その熱量が加速して、地元の人が来れなかったり1回もチケットが取れなくなる可能性が上がってしまうのも本意ではない」とのこと。1つのツアーを何度も見たいと思ってもらえるのは「ライブへの最高の賛辞」と理解を示しながら、「ただの1回でしっかり楽しめるように我々のライブはできている。安心して楽しんで日常に帰って行って欲しい」と呼びかけた。
Twitterでは、ブログからこの箇所がスクリーンショットで切り取られて拡散。「こういう考え方も良いと思う」「地方民ですが、セトリ変えたり、ここでしか聴けないかもしれない曲やってくれるバンドのほうが好き」「個人的に仮に同じセトリでも毎回同じライブにはならないし毎回楽しいと思うけどね」など、さまざまな考えが続出。演奏項目の固定、同じツアーに複数回足を運ぶことについて、音楽ファンに考えるきっかけを与えているようだ。
ブログでは上記の内容に続きが。今回のツアーは演奏項目を固定する決め事をあえて外し、気分次第で曲を差し替えるなど「息をするようにライブツアーをするということに自然に向き合ってやってみたい」とのこと。「ただ何度も念押ししたいのは1回来れば楽しめるようにライブを作っているし、複数回来る事を推奨しているわけではない。一つの地域に行くのはそこが家から一番近いやつがいい思いをしてほしいからだ、それも変わらない」と繰り返している。
このほか同じ記事では、ファンクラブの開設によって果たされたことや、ロックバンドの熱が伝わるのにちょうどいい会場の大きさについても言及。ファンへの思いと、ロックバンドとして生きることへの矜持が詰まったブログになっている。
(黒木貴啓)
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