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鳥嶋和彦、田尻智、シブサワ・コウ―― とんでもないインタビューを量産し続けるサイト「電ファミニコゲーマー」とは何者なのか(4/6 ページ)

電ファミニコゲーマー編集長であり、インタビュー連載「ゲームの企画書」を手がけるリインフォース・平信一さんにお話を聞きました。

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取材前にはたっぷり準備

―― 「ゲームの企画書」の面白さは、インタビュー前に相当な時間をかけて準備していることも大きいと思うのですが、テーマになるゲームはやはり相当やり込まれるんですか?

稲葉:
 事前に相当プレイはしますね、みんなで休日に集まって。薗部博之さんと「ソリティ馬」スタッフの対談のときも、日曜のドワンゴの会議室にゲームフリークの人たちが来てくださって、ずっと一緒にスナック菓子をつまみながら「ダビスタ(ダービースタリオン)」やってました。

―― 「鳥嶋和彦&サブカルチャー年表」の充実ぶりもすごかったですね。

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平:
 鳥嶋さんのときは「これは10年に1回の機会になる」という予感があったので。かなり下調べをして臨みましたね。

稲葉:
 ただ、あの年表は取材では大して使われていないんですよね(笑)。あのときは会議で「ジャンプって何だろう」というのをちゃんと聞こうという話になって、それは「団塊ジュニア」(1971~74年に生まれた世代)がキーワードだろうと。

 鳥嶋さんが豪腕を振るったジャンプ黄金期(1982~95年)は団塊ジュニアが中学~大学時代で、ちょっと盛り下がったのが彼らが新卒で就職したとき。そして鳥嶋さんの立て直しの成果が出て彼らが27~28歳になったころに「ONE PIECE」なんかが「大人も楽しめる漫画」として踊り出てきたという流れがあるんじゃないか、と。その仮説を軸にして作ったんだけど、現場ではそれより面白い話が出ちゃったし、なにしろ鳥嶋さんは世代論が嫌いだったので、すぐに「はい、この話はやめましょう!」と(笑)。ただ、あの表を作ったことで、質問作りは捗りましたね。

会っていきなり「ゲームの企画書」の企画書を渡された

―― 先ほど「ニコニコ自作ゲームフェス」の話が出ましたが、あの最終選考回の記事は平さんと稲葉さんのお二人が構成を担当されていましたね。

平:
 あの記事で、初めて稲葉さんと原稿のやり取りをしたんです。

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稲葉:
 僕が自作ゲームフェス4のプロモ記事企画を頼まれたときに、ニコニコ動画の担当者に、その直前にお会いしていた平さんを「選考会の司会に巻き込めないか」と相談してみたんです。いま思えば、あれが「ゲームの企画書」の原点ですね。あそこで中村さんの言葉に触れて、もう圧倒されました。

平:
 僕はあの原稿を見て、この人なら一緒にやれるなと。僕は4Gamer時代に、自分が取材した記事をライターに書かせることはほとんどなかったんです。それは、満足の行くクオリティになった経験がなくて、ぜんぶ自分で書き直していたから。とはいえ、今この立場で自分が全部原稿を書くのは現実的ではないし、「ゲームの企画書」もやりたい。どうしようかなと思ったときに、稲葉さんがうまい具合に現れてくれて。

稲葉:
 ちょうどあの選考会の少し前に初めて会ったときに、いきなり「ゲームの企画書」の企画書を渡されたんですよね。「今、こういうのを考えてる」と。選考会で司会をお願いしたのは、その記憶があったからです。

―― それ以前に、稲葉さんとゲームの関わりは深かったんでしょうか?

稲葉:
 世代的にゲームの存在は大きかったのでやってはいたんですが、同じ年代の中ではそこまでゲームに重きを置いていない方ですね。僕の周囲では格ゲーやネトゲで身を滅ぼした人とかいましたし。さすがに人前でゲームを語るほどではないという自覚はあって、ずっと「ゲームの仕事だけは受けないよ」と周囲に言っていたくらいです。

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―― それが今では、ゲームど真ん中のお仕事ですよね(笑)。

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