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鈴木奈々「ツッコミは愛情」 Netflixドラマ「火花」の漫才文化は外国人に伝わる?

“日本の今どきの若者代表”鈴木奈々さんは独自の感性で「火花」を分析。

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 6月9日、Netflixで配信中のドラマ「火花」第1話上映イベントが都内で開催され、英語字幕の翻訳を担当したオーストラリア出身のお笑い芸人チャド・マレーンさん、“日本の今どきの若者の代表”鈴木奈々さんが、集まった60カ国・75名の外国人と日本独特の漫才文化を語りました。


(左から)チャド・マレーン、鈴木奈々。

 第153回芥川賞を受賞したピース・又吉直樹さんの同名小説を原作に、漫才の世界に身を投じた青年たちを全10話のオリジナルドラマとした同作。これを世界190カ国で配信するNetflixのコンテンツ制作の勘所と、作品が持つ日本独特の文化的モチーフが国際的にどう評価されるのかも注目されています。

火花 予告編 - Netflix [HD]

 チャドさんは「ボケとツッコミが織りなす漫才の形態は日本だけ」と日本独自のコメディ形態“漫才”を紹介。会場の外国人からも「ツッコミでボケを毎度訂正していく漫才は几帳面なコメディ」に映るという声が上がりました。

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「よしもとクリエイティブ・エージェンシーの戸田奈津子こと、チャド・マレーン(コンビ名)のチャド・マレーン(名前)でーす!」

「もっと芸能界で頑張ろうって!」と同作の印象を語る鈴木さん

 しかし鈴木さんは「私たち女性タレントはMCの方にツッコんでもらってかなり助けられている」とツッコミが持つ意外な優しさを説明。自身も明石家さんまさんから「新お馬鹿女王」と名付けてもらったことに心から感謝していると明かし、「ツッコミは愛情」と会場に伝えました。


「新お馬鹿女王」のネーミングに感謝していると鈴木さん

 そんな鈴木さん、「無名若手芸人の過酷な営業」に話がおよぶと、芸人のようなエピソードを披露。先日発生した羽田空港での大韓航空機出火トラブルでロケ先から戻って来れなくなったため、別便で名古屋まで戻り、そこからタクシーで都内へ戻ったのだとか。それだけでもつらいですが、東京まで、同乗していたダイヤモンド☆ユカイさんがずっとロックンロールの曲を歌い続けていて、「隣でめっちゃ迷惑だったんですけど!」と過酷な出来事を報告しました。


チャドさん「そういうとき僕ら芸人は夜行バスですけどね……」

 また、作中の安居酒屋での1シーンを、“先輩が後輩に絶対におごる”ルールとともに説明したチャドさん。芸人の上下関係では、後輩が財布を出す所作をするだけで怒られ、店の前で先輩が会計を済まして出てくるのを待つ様式まで決まっているとか。

 そんなルールを「オーストラリア人は上下関係がものすごく嫌い」としながらも、「(芸人を)やってみると上下関係の良さが分かってくる」とチャドさん。おごるという行為で上に立つ者としての自分に説得力を与え、お金を使えば使うほど後輩がかわいく思えてくるのだとして、それを思い出して翻訳作業の終盤では泣きながらやっていたことを明かしました。


鈴木さん「私は絶対に後輩におごります! ちなみに私にいつもおごってくれるのは薬丸さん!!」

 同作を、「夢を見て何かを目指したことのある人間であれば誰もが泣ける、明日から頑張ろうという気持ちになれる作品」とチャドさん。鈴木さんも「本当に“頑張ろう”って思える、感動できる青春物語」だと話し、日本からの独特な文化も楽しみつつ、夢に向かって頑張るという普遍的なテーマを楽しんでほしいと会場に呼び掛けました。

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