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沼ちゃん(森川葵)の雨の中の告白、伊達さん(高橋一生)の震える声 ドラマ「プリンセスメゾン」7話

歩いて行く方向しか見えない作りになってるでしょ、人の身体って。【やわスピ×ねとらぼ】※更新あり

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 もっさり系女子、26歳の沼越さん(役:森川葵、以下沼ちゃん)が、マンションを買うために不動産屋に通うドラマ「プリンセスメゾン」は、NHK BSプレミアムで放送中(ネット配信は翌日から)。Webでも公開中。マンガ原作はやわらかスピリッツで連載中、スクロールしていくとここでも読めますよ!

第1話~第6話までのレビュー

 なお、今回のMVPは沼ちゃんの重い過去を隠そうと焦って、ジョジョ立ちでくねくねする要さん(陽月華)だと思います。あの人意外とそういう話題弱かったのねー。

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なぜか不自然極まりないポーズを取る要さん。沼ちゃんこれ気づいているだろうか。

「ずっと住み続けたい家」

 マンション探しをずっと続ける沼ちゃん。部屋の理想は見えてきた、予算もめどがたってきた。でも、どこに住みたいんだろう?

 彼女が育ち、両親を亡くした思い出の場所は、月島。ひょっとして月島に彼女は戻りたいんじゃないだろうか?

 いやいやでも、そうじゃなかったら傷口に塩を塗り込むだけ。ショールームの面々、慎重です。

わかった途端、先着になる前に沼ちゃんのところに知らせに行く伊達さん。本気です

 月島にいい物件がある。彼女は月島を避けていない。ならばと、伊達さん(高橋一生)誰よりも先に、沼ちゃんのところにいって、物件を紹介します。しかも販売前で先着順の物件を、人より前に。沼ちゃんも「伊達さんの勧める物件ならば、是非」と絶対的信頼を寄せています。ここまで営業と顧客の関係以上に親しくなったからこその、会話。

 沼ちゃんも、そこにしようとほぼ決めていました。だって間取りも理想通りだし三口コンロ(沼ちゃん最大のこだわり)だよ。予算で買えるよ。家としてはこれ以上ないじゃん、ここでいいじゃん!

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 でも、彼女は自分の本当の気持ちに気づいて、おっとりした普段取らないようなエモーショナルな行動に出ます。

 雨の中、ぬれるのも気にせず、伊達さんのところにかけていく。大声で「伊達さん!」と叫ぶ。

 「やっぱり月島の家は違いました」「月島じゃだめなんです、戻るんじゃダメなんです」

 「沼越様のおっしゃっている、ずっと住み続けたい家、とは?」

 「買った家は売ったりしないという意味で。頑張って一生住み続けられるように」

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 「よかったです。沼越様は、前を向いていらっしゃるのが、一番お似合いだと思います」

 一瞬愛の告白かとドキドキした。でもこれは、ある意味2人の「自分を大切する愛」の告白。幸せになろう、という家探しをはじめた沼ちゃんが、本当の気持ちを自分でやっとつかめたシーン。今までは「一心に目標に向かう強い人」でしたから、そうではなく迷っており、苦しんでいた事実が、伊達さんの気持ちを大きく揺さぶり、思わず「よかったです」という言葉が出た。

 伊達さんは「幸せの手伝いをしたい」という思いが、使命感を超えて、今は沼ちゃんに向いています。だから「月島」に住むかどうか、思い出に向き合うか前を向くかの選択を彼女がしたとき、伊達さんの声は震え、泣きそうになる。笑顔になる。

 沼ちゃん、感情は豊かですが、そこまで表情豊かではない。ニコッとしそうになると頬をこすって表情を隠すくせがありますし。根が頑固なところ、一途なところ、伊達さんに似ている。感受性豊かなところは要さんにそっくりで、姉妹のよう。以前3人で偽兄妹をやったのは、なるべくしてなったのかも。出会ったことが、みんなにプラスに作用している。

仲良しの要さんたちだけじゃなく、伊達さんにもクッキーを持ってきた沼ちゃん。不器用な彼女の精いっぱいの感謝

歩いて行く方向しか見えない

 今回のゲストキャラ、ヨウコさん。スナックで働く、人気ホステス。美人で、大人びていて、優しくて、マメ。でもそのスナックを3カ月で辞め、次の街へ。電話番号も変えて、みんなとのつながりは切ってしまう。周囲の人はもったいない、と言います。

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 「どこかに戻ったりはしないわ。歩いて行く方向しか見えない作りになってるでしょ、人の身体って。そこは神様が同じに作ってくれたから」

 それを聞いた沼ちゃんが、はっと気づいてすぐ名前を聞く。彼女は答える。

 「ヨ……ヨウスケ、ヨウスケっていうの」「ヨウスケさんも、いいお名前です」

 ヨウスケは今、ヨウコとして前しか見ていない。沼ちゃんも両親を亡くしたけど、今は家を買う目標に向かって前しか見ていない。神様は、公平です。

 久しぶりに、登場人物による歌が入ります。曲はくるり「東京」

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雨に降られて彼等は風邪をひきました 相変わらず僕はなんとか大丈夫です よく休んだらきっと良くなるでしょう 今夜ちょっと君に電話しようと思った

君がいない事 君とうまく話せない事 君が素敵だった事 忘れてしまった事 (くるり「東京」)

 過去を忘れるわけじゃない。ヨウコがヨウスケだったのはすてきなことだ。沼ちゃんの両親のことだって、時々思い出したい。けれども少しずつ忘れてもいいんだよ。よく休んだら、きっと良くなるでしょう、そのためには前に進まなきゃ。

 伊達さんはというと、わざわざ、沼ちゃんが働く「じんちゃん」に、プレイベートで食事にきてくれた。今まで入ることすらできなかった、伊達さんが!

びっくりしたり、ちょっとうれしかったりする沼ちゃん

 ていうか、沼ちゃんて「店長代理」だったんですね……すごいな! 聞かされた話は、ちょっとショックで、うれしくて。マンションが売れたら、ギャラリーは閉じる。伊達さんや要さんといる時間は、終わる。

 楽しい空間だったから、寂しい。けれどみんな、前に進みます。

漫画 第7話

12月15日更新:掲載期間が終了しました

(C)池辺葵/やわらかスピリッツ/小学館

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