村上隆総監督の魔法少女アニメが空前のやばさ 12月30日放送なのに「全くできていません」
万策尽きたー!
現代美術家の村上隆さんが総監督を務める魔法少女アニメ「シックスハートプリンセス(6HP)」の制作状況がやばいです。12月30日に本当に放送できるのか!?
村上さんは12月19日にFacebookとInstagram上で、同作が自身にとって「30年間の想いを遂げる放映」だとしつつ、制作状況について「でも、全くできていません」と告白。背景ができていないカットが140カットにも上り、「動画も7分間のCGフュージョンカット、全部間に合わない」としています。通常のテレビアニメは300カット前後で作られるため、ざっくり見ても約半分の映像が未完成ということに。
しかし村上さんは「線画、背景レイアウト状態で、放映します」と明言。番組は1時間枠で、「本編映像22分+謝罪&言い訳ドキュメンタリー」となるようです。村上さんは未完成なものを放映せざるを得ない状況について「スタッフに申し訳ない」としながらも、日本に住んでいるからには、芸術とは何かを突き詰めるために「テレビシリーズ形式のアニメを造るしかない」と、表現媒体としてアニメを選んだ必然性を強調しています。
編集部では放送局のTOKYO MXに対し、こうした状況を把握しているのかを取材しました。担当者によると「状況は承知している」とのことで、MXとしては当初より、アニメ本編とドキュメンタリーを合わせた構成を予定していたそうです。本編映像が間に合わないから急遽ドキュメンタリーを足したというわけではないようです。また、「線画、背景レイアウト状態」で放送されるのは放送事故に当たらないのか? という疑問に対しては「完成されたものを頂く前提で(村上隆さんサイドと)話をしている。60分(本編22分+ドキュメンタリー)の番組全体で1つの作品ととらえている」としました。一体どんな放送になるのか、要注目です。
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