アイエエエ!? チキンナンデ!? 謎のミュージックビデオ「鶏攻撃の術」の中毒性にゴーチキンゴー
知恵と平和と正義のヨーデル。
YouTubeにて、不思議な中毒性をおびるミュージックビデオが公開されています。その名も「Chicken Attack(鶏攻撃の術)」。小学校低学年の少年たちですらもっとかっこいいタイトルを思い付くのでは? という疑問も浮かびますが、とにかく20秒見てください。見て。
とあるお屋敷に侵入をはかり、盗みをはたらくニンジャらしき姿の青年。脱出をはかろうと逃げる盗人の行く手を遮るように立ちはだかるのは和洋折衷すぎる不思議な風貌(ふうぼう)のおじいさん。その腕にはニワトリが――。
「それを返せ、さもないと後悔するぞ」「お前1人に一体なにができる!?」。この会話劇、うん、茶番かな。ブラウザバックしよ……。と思った次の瞬間。ここはアルプスか? と己の耳をうたがってしまうほど美しいヨーデルが屋敷中に響き渡ります。なにが始まるんですか。おしえておじいさん。
そして唐突に始まるミュージカルのような激しい展開。なんとおじいさんの腕に抱えられていたニワトリが人間へと変身して盗人とのバトルを繰り広げていくではありませんか。BGMは絶望感漂う歌詞を高らかに歌い上げるおじいさんの美しい歌声。
「ゴー! チキン! ゴーぉぉぉおおおおおぉ~」のくだりは特に印象的で、一度聴いただけでもカラダ中にチキンの風味が広がっていきます。私は今何を見て聞いているのか。こんな時どんな顔をしたらいいか分からないの。おしえておじいさん。
どうやらこのおじいさんは森羅万象、全ての生きとし生けるものを操る能力があるらしい。屋敷中の人間に危害を加える盗人に対して、おじいさんの能力により覚醒したチキンが闘拳乱舞。攻撃レベルカンストチキンだ。ゴーチキンゴー(悟り)
森へと追い込まれた盗人。もはやここまでか。 ニンジャ殺すべし。慈悲はない、と覚悟を決めた瞬間、おじいさんは青年に一羽のチキンを手渡します。お腹が空いているだろう、もうこれで盗みをしなくていい、と……。慈悲あった。さすが天使のヨーデルの使い手。
この後の展開もツッコミどころ満載なのですが、続きはぜひ己で見届けてください。一人での視聴は「しんどい」ので友達を巻き込むのがオススメです。
この動画を投稿した“Schmoyoho”は、アメリカの音楽グループであるグレゴリー・ブラザーズが主にヘンテコなミュージックビデオをアップするためだけにつくったYouTubeチャンネル。この「鶏攻撃の術」は、世界のさまざまなアーティストとコラボしている「SONG VOYAGE」シリーズの1つだったのです。
ちなみにこの動画に登場する美声のおじいさんはヨーロッパで活躍するヨーデル歌手の石井健雄さん。ドイツの音楽功労者に贈られるというヘルマンレンス・メダルを受賞しているガチすぎる経歴のヨーデルマイスターです。なんて慈悲深い方だ(しんみり)。
一回再生するともう一日中頭の中が「ゴーチキンゴー」になること間違いなし。チキンといえば“弱虫”などネガティブイメージが付きまとうものですが、この迷曲のおかげでそのイメージも払拭(ふっしょく)できます。チキン野郎と言われたら「ふっ、褒め言葉だ」と返してやりましょう。
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