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映画「ドラえもん」のグッとくるポスターはなぜ生まれた? ストーリーボードポスター誕生の経緯を取材

「10万年後に助けてくれ。」などのキャッチコピーが話題になっていました。

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 3月4日公開の映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」のイメージボードポスターが2月27日~3月5日まで新宿地下通路に掲出され、「オシャレすぎる!」「これは見たくなる!」と話題になっていました。なぜ印象的なイラストとキャッチコピーが生まれたのか、東宝・宣伝部を取材しました。

ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」のティーザーポスター

東宝・宣伝部に聞いた映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」イメージポスター誕生秘話

 話題になっていたのは「10万年後に助けてくれ。」「リングは、ひとつ。救いたい星は、ふたつ。」などの印象的なコピーとともに、海に沈むリングや離れ離れになるのび太とドラえもん、凍りついた地球などが描かれたポスター6枚。

ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 話題となったキャッチコピー「10万年後に助けてくれ。」
ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「リングは、ひとつ。救いたい星は、ふたつ。」

 これまでの映画「ドラえもん」シリーズのポスターとは一線を画したデザインに、掲示直後から「今年の映画ドラえもんのポスターはヤバイ。秀作過ぎる」「目についたドラえもん映画の中で一番のセンスだわ」とSNSでも大きな話題を呼んでいました。このポスターはいかにして誕生したのか――、東宝・担当者に聞きました。

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――ポスターを公開してからの反響はいかがですか

東宝非常に好評をいただいているようで、ほっとしています。

――イメージボードポスターはどのように作られていったのでしょうか

東宝ポスターのデザインは高橋敦史監督の中にあるイメージをコンセプトに、イラストレーターの丹地陽子さんとヒョーゴノスケさんにデザインしていただいたイメージボードがベースになっています。イメージボードは本来、監督の持っている映画のイメージをスタッフ間で共有するためのものですが、今回はそれをポスター用にアレンジしたものになっています。

ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「時を超えるのが、友情だろ。」

――複数のポスターが制作された経緯を教えてください

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東宝2016年の夏にティーザーポスターを作ることになり、複数のイメージボードの中から「氷山を見上げているシーン」をメーンにすると決めました。ティーザーは決定したものの「ほかのイメージボードもどうにか世に出せないか」と、プロデューサーや、デザイナーの浜辺明弘さんとも話していました。そんな中、新宿地下通路に大きな広告を出すことになり、既出のティーザーポスターと本ポスターを含めて8連ビジュアルとして展開させることになりました。

――シンプルながら引き込まれるデザインのポスター6枚ですが、異なるデザインを「6種類」作ったというのには何か意味があるのでしょうか

東宝50枚以上あるイメージボードの中から、ポスターとして成立するものを浜辺さんから10枚程度ご提案いただき、その上でさらに映画のキーとなる場面として6枚に厳選しました。それを元にあらためて丹地さんとヒョーゴノスケさんにポスター用に仕上げていただきました。

――イラストを丹地陽子さんとヒョーゴノスケさんにお願いした経緯を教えてください

東宝イメージボードを作成するにあたり、高橋監督が以前一緒にお仕事をしたことのあるイラストレーター・丹地さんにお願いをしたようです。そして脚本を読んだ丹地さんから「ヒョーゴノスケさんのイラストのテイストが合いそうだ」とのご提案があり、お声がけさせていただきました。

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――キャッチコピーはどなたが考えられたのでしょうか

東宝ティーザーポスターのコピーは、デザイナー浜辺さんの会社、WATCHで考えていただきました。その他のものは、コピーライターの福部明浩さんに手掛けていただいています。

「本当の友だちと、ニセモノの友だち。何が違うんだろう。」

――お子さま向けというよりは、大人へのメッセージ性を感じさせるポスターになっていると思うのですが、やはり大人の方にも見ていただきたい作品というメッセージが込められているのでしょうか

東宝そうですね。「ドラえもん」を子どもたちだけの作品にしておくのはもったいないと思いますし、子ども時代にドラえもんを好きだった方が当時の気持ちを思い出すような、大人も心をひかれるポスターになっていればいいなと思います。もし、このポスターを見て、久々に映画館にドラえもんを見に行ってくださった方がいらっしゃったらとてもうれしいです。

――最後に映画の見どころを教えてください

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東宝今回はドラえもんとのび太の友情が特に感じられる映画になっていると思います。そして「のび太の恐竜」(1980年公開)が公開された当時、恐竜が隕石で絶滅したというのが真説ではなかったように地球は昔、丸々凍っていたことがあるという“スノーボールアース仮説”を元に展開する物語は、子どもはもちろん、大人もワクワクできる、まさに原点回帰ともいえる作品になっていると思います。

「7億年前にあったことは、明日あっても不思議じゃないんだ。全地球凍結(スノーボールアース)。」

 現在全国の映画館で上映中の映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」は、ひみつ道具「氷細工ごて」で遊園地を作っていたのび太たちが、氷漬けになっている不思議な腕輪を見つけて――という物語。地球凍結の危機に直面したドラえもんたちの活躍に注目です。

「氷は、透明なタイムマシンなんだ。」

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2017

(Kikka)

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