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「断崖絶壁で犯人を追い詰める刑事ドラマにうんざり」 広井王子原作のハードボイルドドラマ、キャストも展開にざわつく

悪・即・殺のハードボイルドスタイル。

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 「魔神英雄伝ワタル」「サクラ大戦」など多くの人気作品を手掛けた広井王子さん原案の完全オリジナル作品として4月7日からテレビ東京系で放送開始の連続ドラマ「CODE:M コードネームミラージュ」の製作発表記者会見が都内で開催され、広井さんのほか、主要キャストの桐山漣さん、要潤さん、佐野ひなこさん、武田真治さんが登壇した。


左から原作者の広井王子、要潤、桐山漣、佐野ひなこ、武田真治(敬称略)

 同作は、政治的、社会的には表だって解決できない犯罪を警察内特殊部隊「K-13」が解決していくいわゆる刑事ドラマもの。ただし、作中の主人公が見せるガンアクションや近接格闘は刑事ドラマにありがちな獲物を前に舐めプするものではなく、寡黙に悪・即・殺のハードボイルドスタイル。そこにハッキングなどサイバーパンクなエッセンス、さらに1980年代のアメリカを代表するSFアクションテレビドラマ「ナイトライダー」のナイト2000を連想させる人工知能搭載作戦車両も登場し重厚な世界観を作り出しているのが特徴で、攻殻機動隊や007などに近い雰囲気を感じさせる作品だ。


広井王子さん

 原作者の広井さんは記者会見で、一昨年の夏に企画の依頼を受けたが、5度にわたって企画がボツとなったことを明かす。GOサインが出たものは、「書いた後に、これは危ないなと思った。いきなり相手の頭を撃つ主人公の企画が通るとは思わなかった」と笑う。寡黙で冷徹に任務を遂行する主人公像は、「断崖絶壁で犯人を追い詰める刑事ドラマにうんざりしてた。銃を撃つ主人公なら、しゃべらない方がいい。スピーディな主人公を書けないかと思った」と説明し、「日本で銃を撃ちきれるか? その正当性を持たせられるかを考えた」と振り返った。

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 K-13のトップエージェント“ミラージュ”こと森山真一を演じる主演の桐山さんは自身の役どころを「本当にしゃべらない。第1話の本読みで僕のセリフは二言。うちのひと言は『了解』だった」と明かし、「演じる僕からするとセリフがほしいけど、しゃべらずどう表現できるか? きちんと目で表現して(演技に)厚みを足していけたら」と役に意欲を見せた。

ミラージュ・桐山漣とドブネズミ・佐野ひなこ

 一方、ミラージュと同じくK-13のエージェントで天才ハッカーとして任務に臨む“ドブネズミ”こと小暮美佳子役の佐野さんは、監視カメラなどセキュリティシステムの掌握など朝飯前といった腕前を持ちながら、どこか憎めないテンションやコスプレっぽいファッションが特徴的なキャラクター。佐野さんは役作りのためにセキュリティーベンダーの「ハッカー講習会」などに参加してテクニックを学んだのだという。

「ハッカーコンテストで優勝された方とかから、実際に使われているコマンドを教えてもらったりした。ハッキングするシーンでの所作には気を遣った。毎回衣装がポイントだったりするので、そこら辺も男性の方には見てほしいなと」(佐野ひなこ)

 警察庁のキャリア組という表の顔とK-13の責任者という裏の顔を持つ御崎蔵人役の要さんは、「ミラージュのセリフがほとんどない分、僕がひたすらしゃべります!」とニヤリ。基本的に指示を出す側だが、「気を緩めていたら、こないだロケに出て、銃を持たされました」とアクションシーンを予感させる話も飛び出した。ただし広井さんからは、御崎の沖縄への左遷が示唆されるなど先の展開は予断を許さない役どころになりそうだ。

要潤と武田真治

 また、K-13が対峙(たいじ)することになる、裏社会にも精通する不動産王・鯨岡憐次郎を演じる武田さんは役どころを「いまの時点でラスボス」と表現。「手探りでもがきながら演じていて、『NIGHT HEAD』に取り組んでいた時と同じ感覚」と、自身の出演した過去作に言及しながら同作の印象を語った。

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 2クール全25話で放送される同作について広井さんは、「最終話(25話)は3つのパターンを用意していて、脚本担当スタッフと、ドラマの流れや方向性を見ながら決める。最終話では誰かが必ず死ぬ。僕は、『ミラージュ、死ね』と思っているんだけど」と冗談めかして話すと、キャストは未知なる展開に慌てた表情をのぞかせた。

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