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業界初の公式チケット転売「チケトレ」 手数料に「高すぎる」の批判続出、ぴあ「運営コストギリギリで設定」

高額転売問題を解決するために設立された「チケトレ」。券面金額でチケットを二次売買できるが、手数料の設定にネットでは疑問の声が。

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 イベントチケットの高額転売問題の解決を目的とする、定額取引に限定したチケットの二次売買サービス「チケトレ」が、5月10日正午にプレオープンしました(関連記事)。音楽業界初の公式サービスであることから、Twitterでは業界の姿勢に評価の声があがる一方で、取引時の手数料に対し「高すぎる」と批判が続出しています(手数料の額については後述)。

「チケトレ」トップページ

 運営するぴあの広報担当者に取材したところ、批判に対して「手数料の金額はサービスを運営コストを考えたもので、ギリギリの価格に設定しています」と説明。「まだプレオープンの段階ですので、みなさんの利用状況をみながら、6月1日の本オープンに向けてさまざまな点で調整していきます」と話しました。

 チケトレは、昨夏にも高額転売問題の防止を求める共同声明を発表した(関連記事)、日本音楽制作者連盟などの音楽業界4団体が設立しました。コンセプトは、チケット購入者からの“本当にイベントへ行けなくなった時の救済措置を作って欲しい”というニーズに応えること。取引価格はすべて券面金額で統一、チケット大量購入の抑制など、高額転売問題に向けてさまざまなルールや対策が敷かれています。

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出品者の流れ
購入者の流れ
手数料の設定

 出品者・購入者間での売買が成立後、チケットの発送から受取まで、さらには代金のやり取りにはチケトレ事務局が仲介・サポートします。その上で利用者には「取引手数料」が発生するのですが、購入者には券面金額の10%(3999円以下は一律400円)、出品者にはさらに「送金システム手数料」として1送料あたり380円が設定されています。今だけオープン直後のキャンペーンとして、出品者の取引手数料が0円です。

 この手数料に対し、Twitterでは「既存システムのどれよりも手数料が高い」「(定価5000円の場合)購入履歴管理するだけでチケ代の1/3も稼げるとかヤクザすぎませんかね」「何故転売屋の為に一般人がこんなに負担強いられなければならないのか」と疑問の声が多数あがります。また「転売ヤーはチケトレでチケットを仕入れて、チケキャンで転売するのでは…?」と、手数料のせいでむしろ転売行為を助長するシステムになっているという意見も。

 ぴあ広報部は手数料の設定について、「サービスを運営するコストを考えた結果、こちらの価格となりました。大きなシステムで、本人確認として利用者には身分証などの写真を送ってもらい、それをこちらで手動で確認したり、ぴあ以外にも他社のチケットを多種類扱ったりと、コストも大きくかかっています。むしろこれほどの手数料ではなくては運営が回らないという、ギリギリの金額に設定しています」と説明しました。

 ネットで批判があがっていることについては、「なぜこれほど高いのかと疑問に思っている方には、既存の大手チケット転売サイトの手数料と比較している人が多いのかなと感じています」と返答。

 例えば「チケットキャンプ」の場合、取引手数料は購入者は無料、出品者はチケット売価の8.64%(※8000円以下の場合は一律690円)。購入者は別途「決済システム料」をチケット売価に応じて支払う(1万円以下は324円、2万円以下は540円、それ以上は3.24%)設定になっています。

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 「チケットキャンプは手数料がチケトレよりも低いパーセンテージに設定されていますが、券面金額よりも非常に高い価格で取引されるケースも多いです。チケトレはすべて券面金額での取引となっているので、手数料も上限があります」と、他サービスの方がかえって手数料を多く取られる場合があることを示唆しました。

 「チケトレは公演に行けなくなり本当に困っている人に向けたサービス。手数料については、より安くしてもっとサイトを利用して欲しいというよりも、券面金額での譲渡を可能にするためギリギリ運営できるレベルで設定しております。理解をもらうのも難しいと思いますが、高額転売も容認しているサービスとは性質の違うものだと考えていただけたら幸いです」(広報担当者)

 また手数料は、サービス開始後にチケットの流通量が少なかった場合も想定し、現段階で高めに設定している背景もあるとのこと。

 「もし予想を超える量を実現できれば、手数料の改定も検討できると思います。まだプレオープンの段階で、チケトレのサービスに賛同していただくアーティストもこれから募っていくところです。みなさんの利用状況をみながら、6月1日の本オープンに向けて調整していきます」と、改善に力を入れていく意向を話しました。

黒木貴啓

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