ジャニーズ事務所から抗議を受けていたチケット売買サイト「チケットキャンプ」は(関連記事)、問題となっていた「ジャニーズ」の名称を使用した画像バナーなどを11月20日付で一部削除しました。一方で期間限定でチケットの取引手数料が無料になるという「ジャニーズ応援キャンペーン」は「嵐ドームツアー 取引手数料『無料』キャンペーン」に改称し、継続中です。
「ジャニーズ応援キャンペーン(現:嵐ドームツアー 取引手数料『無料』キャンペーン)」とは、嵐のドームツアー「嵐 ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?」のチケットについて、2016年11月16日17時30分から2017年1月8日までに取引が成立した分は手数料が無料になるというもの。
11月19日にジャニーズ事務所が公式サイト上で「『チケットキャンプ』というチケット転売サイトにおいて、『ジャニーズ応援キャンペーン』と称したキャンペーンの開始が公表されましたが、当該サイトの運営会社はジャニーズ事務所ならびにジャニーズ関連会社とは一切関係がなく、当該サイトにおける『ジャニーズ』との名称の記載は無断で行われているものです」との抗議文とも思える見解を示し、話題となっていました。
この騒動との因果関係については不明ですが、チケットキャンプ側はキャンペーンのページを11月20日付で更新。キャンペーンの告知文からジャニーズの名称を削除し、「※当キャンペーンはジャニーズ事務所ならびにジャニーズ関連会社とは一切関係ございません」との追記を行いました。
また同時にジャニーズの文字が入ったキャンペーン画像も削除しましたが、キャンペーン自体は改称して続行中。現在も定価を大幅に上回る価格で、チケット転売が多数行われています。
さらに、サイトトップ画面には「ジャニーズチケット 良席・神席ならチケキャンにお任せ!」というバナーが11月21日15時30分時点で使用されているほか、サイト説明文には「チケットキャンプはジャニーズや宝塚など人気、売り切れの公演チケットを売買できるサービスです」という文言を引き続き使用しています。
チケットキャンプ側の回答
本件についてチケットキャンプを運営する「フンザ」に取材を申し込んだところ、以下の回答が寄せられました。
――ジャニーズ事務所が公式サイト上で11月19日に掲載した「正規販売以外でのチケット購入はおやめください」という抗議文は確認しましたか
フンザ:確認いたしました。
――サイト内で使用した「ジャニーズ」という名称は、ジャニーズ事務所の主張通り無断使用だったのでしょうか。また告知掲載時に無断使用との認識はありましたか
フンザ:ジャニーズ事務所が有する商標の使用については、弊社での確認不足を認め、今回のご指摘をうけ、本キャンペーンにおける商標の使用に対し掲載の削除を行いました。
――キャンペーン画面への追記及び、ジャニーズという文言が入った画像、キャンペーンバナーの削除はなぜ行われたのでしょうか
フンザ:先ほどの回答に加え、ジャニーズ事務所の指摘の通り、弊社独自のキャンペーンであることを示す為、注釈として追記いたしました。
――本件に関連し、ジャニーズ事務所から直接の抗議は来ていますでしょうか
フンザ:ジャニーズ事務所のサイトに掲載された内容及び、かかる報道をもって抗議を受け止め、ご指摘内容に対する訂正等の対応を行いました。
――「ジャニーズ応援キャンペーン」の名称を「嵐ドームツアー 取引手数料『無料』キャンペーン」に改称してキャンペーンを継続中ですが、この名称に決定した理由を教えてください
フンザ:嵐のドームツアー「嵐 ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?」の公演について取引手数料を無料とさせていただいたので、その事実として記載しております。
――サイトトップ画面には「ジャニーズチケット 良席・神席ならチケキャンにお任せ!」というバナーを使用していますが、変更のご予定はありますか
フンザ:サイト内におきましては、ユーザーに対して分かりやすい表記をさせていただく為に上記の掲載をしております。
――サイト説明文には「チケットキャンプはジャニーズや宝塚など人気、売り切れの公演チケットを売買できるサービスです」という文言が使用されていますが、こちらも特に変更の予定はありませんか
フンザ:人気のチケットや、既に販売が終わっているチケットに関して、チケットキャンプ上で譲り合いなどが行われておりますので、上記の通りの記載をしております。なお、ご指摘のサイト内に記載の文言につきまして、景品表示法等かかる法令において不適当と判断される場合には、適切に改善いたします。
――チケットキャンプ上では嵐だけでも6万件を超す売買が成立しています。この問題についてはどうお考えでしょうか。またジャニーズ事務所関連のチケットの取り扱いやキャンペーンを中止するという考えはありませんでしょうか
フンザ:本キャンペーン自体はジャニーズファンを応援するものであり、手数料を無料にすることで少しでもファンの皆さまの負担軽減が応援になればと考えた次第ですので、キャンペーン自体につきましては継続の判断をしております。また、チケットキャンプ上での取引数に関しましては、いわゆる、不当な買い占め行為など問題とされる課題について、双方協議のうえ対策を実装できればと考えております。
――ジャニーズのみならず、「チケット高額転売取引問題の防止」について音楽系団体らが新聞などに意見広告を行っていますが、どう感じておられますか
フンザ:課題については、弊社単独で対策できることも限られておりますので、協議のうえ双方による連携した対策が講じられればと考えております。
またジャニーズ事務所側にも取材を申し込みましたが、締め切り期限が短かったため今回は回答を得ることができませんでした。
(Kikka)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 過熱化するチケット論争 高額転売は違法か? それは「必要悪」なのか?
ライブイベントで見られるチケットの高額転売問題は深刻。問題を整理し、チケット価格のさらなる多様化にかじを切る時期なのではないでしょうか。 - マキシマム ザ ホルモンの斬新な「チケット転売対策」 ファンの愛が試されると話題に
これはダフ屋も白旗をあげそう。 - バンド「ヤバT」の転売チケットへの注意喚起が斬新 「1万円クオリティのワンマンできひんからやめて!」
大阪の3ピースバンド「ヤバイTシャツ屋さん」が、自虐とユーモアたっぷりのチケット転売注意喚起をツイート。 - 「チケット高額転売」へ反対する大規模な共同声明 音楽業界4団体、アーティスト116組、イベント24団体が発表
賛同アーティストには嵐、Perfume、サザンなど著名なグループの名がずらり。 - ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、転売が確認されたチケットは使用無効に より厳格に転売行為の撲滅目指す
ゲストの不利益をなくすため。