「詐欺被害相談サービス」をかたる悪質事業、消費者庁が注意喚起 “架空請求業者との交渉を代行”で依頼料を請求
消費者が怪しい電話番号を検索する行動を利用していました。
消費者庁は、架空請求に関する詐欺被害への相談をかたる悪質事業について、その手口を公開して注意喚起しています。
調査で不当な行為が確認されたのは「クラプラ」という事業者。同社は、架空請求を受けた消費者に対して「○○さんに代わって、これ以上請求をしてこないように架空請求業者と交渉します」などと告げ、実際には交渉を行わないにもかかわらず、その交渉を依頼するよう勧誘し、契約と同時に依頼料を請求していました。
手口の流れとして、まず消費者の携帯電話に「本日連絡なき場合、法的手続に移行します」などの文章と連絡先電話番号が記載された、架空請求のSMSやメールが送信されます。これに不安になった消費者がネットでその電話番号等を検索すると、「詐欺被害の相談サイト」などと称するWebサイトが上位に表示され、そのサイトで「(調べた)電話番号は詐欺の番号です」として「こちらにお問い合わせください」と問い合わせの電話番号に誘導。そして電話すると今度は別の電話番号を案内され、クラプラと名乗る者につながります。
すると上記で述べたような、架空請求業者との交渉を依頼するよう「今日中に当社に振り込んで頂ければ」「特別に5万4千円で」などと勧誘されます。その際には「調べたところ、あたなには○万円の未納料金があります」と告げることも。
そしてクラプラの指示で契約・送金を行い依頼した後日、「1社とはけりがつきましたが、あなたは他にも数カ所のサイトを閲覧しています」と、再び請求取り消しのためとして新たな契約を締結するよう迫り、追加の依頼料を提示。実際には存在しないにもかかわらず「請求が50万、100万と膨れ上がっていくかも」などと、消費者の不安をかき立てるような話をするということです。
なお、詐欺被害相談サービスをかたるクラプラのWebサイト上では、無料相談窓口で解決が困難になった場合に「まず相談者様の代わりとなり、架空請求業者に対し一切の請求を行わない、支払わない旨を交渉にて行います」などと交渉依頼の内容について表示されていました。
消費者庁が確認したところ、契約書類等に記載されたクラプラ事業所はすでに退居しているか、表札もなく関係者が在住しているか不明な状態で、クラプラ代表者との連絡は現在とれていないとのこと。またその他の電話番号やサイトのドメイン取得者は他社名義などだったということです。
同庁は「有料動画サイトの未納料金が発生しており、本日中に連絡がなければ法的手続きに移行します」などというSMS・メールは典型的な詐欺の手口だとして、記載の電話番号には絶対に電話しないようにと注意。もし心配な場合には各地の消費相談窓口(電話番号:188)や警察(電話番号:#9110)に相談し、ネット上の“相談サイト”などと称する中には悪質なものが存在するとして、こちらにも注意するよう呼びかけています。
(宮原れい)
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