断捨離ってどうすればいいの? 始める前に知っておきたい基本の考え方
「いらないものを捨てると、生活が豊かになる」といわれるのは、どうして?
メディアでも多く取り上げられ、知名度を上げた「断捨離」。 一般的な片付けや収納術とは異なり、「物を手放すことで豊かな生活を送る」ことを目的としています。こちらの記事では、 基礎となる断捨離の考え方やその効果、始め方などを分かりやすく解説します。
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断捨離ってどういうもの?
断捨離という言葉は、「断行」「捨行」「離行」というヨガの考え方の頭文字をとったもの。「物欲を断ち、不要な物を捨て、物への執着から離れる」ことで身のまわりを整理し、ストレスから解放された生活、人生を得ようという考え方を指します。実際に「思い切って物を手放したら、心がすっきりした」という経験がある人も多いのでは?
断捨離をするには、基本的な考え方をしっかりと理解し、実践する必要があります。とにかく物を減らせばいいというものではなく、生活をより豊かにするために自分にとって本当に必要な物、大切な物を残さなければなりません。下の3つを意識することで、徐々に不要なものから離れ、自分らしい生活ができるようになるとされています。
- 断:入ってくるものを断つ → いらない物を買わない、もらわない
- 捨:いらない物を捨てる → 家にずっとある不要な物を処分する
- 離:物への執着から離れる → 本当に必要な物かどうかを考える
断捨離の効果
断捨離には、物理的な効果と精神的な効果の2つがあるといわれています。
物理的な効果
まず、物理的な効果としては、本当に必要な物を残しいらない物を手放すことで、整理整頓がスムーズにできるようになり、自分にとって居心地の良いきれいな部屋を維持できるという点が挙げられます。
特に未使用品やもらい物は処分しにくいものですが、「使っていない=自分にとって必要でない」と捉えて思いきって処分すると、生活空間に余裕が生まれます。そうすることで、物を適切な場所に収納できるようになるのです。
きちんと断捨離できるようになると必要以上に物が増えなくなるため、大掛かりな整理や掃除を何度も行う必要がなくなります。
精神的な効果
精神的な効果には、「持ち物を整理しながら自分自身の気持ちを見つめ直すことで、心の整理もできる」というものがあります。 物が捨てられない背景には、寂しさや不安など精神的な要因がある場合も。持ち物1つ1つに対して、今の自分にとって必要なものかどうか自問自答することで、本当に大切なものを見極められるようになるというわけです。
断捨離をすることで、「もったいない」「捨てたら後悔するかも」「せっかくもらったのに捨てられない」といった物への執着から解放され、自分の心に安らぎや楽しさ、幸せをもたらしてくれる物だけを残せるようになると考えられています。
また、不要な物がない生活は、集中力の向上やストレスの軽減にもつながります。 人が日常で受ける刺激の80%は視覚からの情報といわれていますが、物が散らかった環境にいると視覚情報が増えて、注意力が散漫になってしまうことも。また、散らかった室内を見て「片付けなきゃ……」とプレッシャーを感じて、ストレスになる場合もあります。
「物は本来、自分の生活を豊かにするためにある」という考えを軸に断捨離を行えば、余計なことに煩わされてストレスがたまることもなくなるのです。
断捨離の始め方
断捨離を始める際に一番重要なのは、断捨離の考え方をしっかりと理解することです。「捨てなければいけない」という考えに固執してしまうと、本来の目的から逸れてしまいます。
これまでさまざまな物を身のまわりに置いてきた人にとって、「今の自分に必要かどうか」の判断は時に難しいものです。ですが、断捨離は一気にする必要はありません。必要であれば数回、数カ月をかけて整理していくのも良いでしょう。
現時点で「手元に残したい物」「いらない物」を分けたら、いらない物は売るか譲る、もしくは処分をします。 手元に残った物は、1カ月後にもう一度仕分けをしましょう。 そして、また手元に残った物を1カ月後に仕分ける……という風に繰り返していきます。
いきなり全てを手放すのは難しくても、少しずつなら始めやすいはずです。捨てる前は惜しく感じていても、いざ手放してみると意外と後悔しないことも多いもの。「自分にとって必要ではなかった」と知ることで、徐々に物を手放すことへの抵抗も弱くなっていきます。
あまりに物が多い場合は、あらかじめ明確な判断基準を決めておくのがおすすめです。大量の物を1つずつ手に取って必要かどうかを考えると、とても時間がかかります。
「使っていないなら捨てる」「いつか使うだろうと残しているものは、結局使わないだろうから捨てる」「残すべきか迷うくらいの必要性なら捨てる」など、自分なりのルールを決めることで、思いきって手放せるようになります。
主要参考文献
『新・片づけ術「断捨離」』(やましたひでこ/マガジンハウス)
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