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KADOKAWA『同人作家のための確定申告ガイドブック』めぐり謝罪 編集ミスのある本が出回る
「決定稿」の意味。
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同人作家に向けて税の初歩や申告書の書き方などを手ほどきする書籍『同人作家のための確定申告ガイドブック』に、誤表記および編集上のミスがあったと発売元のKADOKAWAが謝罪しました。購入者には修正版と交換するとしています。
事の経緯は監修の喜田一成さん(@nalgami)がTwitterで明かしています。KADOKAWA側から12月20日の発売を印刷ミスのため延期すると連絡が来たのは18日。刷り上がった本は、決定稿の段階からさらに編集が加えられたことで図表の位置に狂いが生じ、印刷が崩れていたといいます。
「決定稿」に手を加えるなど普通はあり得ないことが起きていたわけですが、問題はそれだけで終わりませんでした。発売延期が決定されていたにもかかわらず、ミスのある本が流通してしまっていたのです。
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しかし編集部側の購入者に対する公式謝罪はなく、喜田さん個人への問い合わせが相次いだため、自ら発信することに。「作家に対して債務を履行しない不当な行為に対しては全力で行く」と、怒りをあらわにしています。
税理士が著者として名を連ねている関係上、書籍のミスがもとで他の税理士や協会から抗議を受ける可能性も懸念
喜田さんがKADOKAWA上層部と談判した結果、事態は解決に向かい、先述の謝罪文も公開されました。既に同書を購入した人には、修正版が完成する2018年1月下旬以降に、KADOKAWAのサイトで交換が案内されるとのことです。
(沓澤真二)
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問題のシーンは試し読みサイトで公開するとしています。
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