連載

あの日あなたとお酒に会えて、本当によかった マンガ『お酒は夫婦になってから』から「マンゴーフローズン」やわらかスピリッツ×ねとらぼ(1/2 ページ)

お酒のある喜び、好きな人のいる幸福。

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『お酒は夫婦になってから』(C)Kurisutaruna Yousuke / Shogakukan 2012-2017.

 「やわらかスピリッツ」(小学館)で連載中のマンガ『お酒は夫婦になってから』(クリスタルな洋介)。主人公が酔うと大変かわいくなることで定評のある同作がアニメ放送を記念して、ねとらぼに期間限定で登場します!

エピソード:マンゴーフローズン

 水沢千里(みずさわ・ちさと)は、会社の人みんなが認めるやり手の女性。実はお酒が大好きなんだけれども、飲むとすっかり甘え上戸になってしまいます。

 なので外では飲めない彼女。家で夫の、元バーテンダー壮良(そら)の作るお酒が何よりの楽しみ。特に今日は仕事帰りに我慢し続けたため、飲みたくて仕方ないようですが……?

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帰り道は、飲み屋街です。お酒大好きちーちゃん、やばいのでは 
誘惑……目の毒……そういえばちーちゃん、飲み屋さんで飲んだことないんですよね
ソラー飲みたかったーーー……? お酒じゃない……だと……
せっかく作ったんだしもうちょっと喜ぼうよちーちゃん! 気持ちはわかるが
4コマ目のちーちゃんの顔がやばい。まあ、一口食べてごらんなさいな

 お酒というのは本当に厄介。思考を鈍らせるし、歯止めをかけられなくなるし。けれども、おいしい。楽しい気持ちになる。自分に正直になってストレス発散できる。だから、人はお酒が好きになる。

 このマンガ、イチャラブものでもあるのですが、同時に大人の、心の弁のゆるめ方を描いているように思います。アニメにはなってない部分で、彼女のお父さんもまた、なかなか感情をうまく出せないのが描かれます。彼もまた、お酒を通じて静かに心を開きます。これは単行本で、是非読んでみてください。

 お酒は、心を開いてくれるきっかけにはなる。けれどもちーちゃんはここにはきっちり歯止めをかけ、依存はしていません。人前だと恥ずかしいからというのもあるけれども、今回の話を見る限り、大人として時と場合をわきまえ、我慢している。お酒を楽しむ際は、自分を律する大人であることが、前提条件です。

 彼女が自分を制御できるのは、ソラがいるから。カレーのシーンを見るとちょっとわがままに見えるちーちゃん。でもソラは唯一「わがままをしてもいい人」だっていうのもわかっているし、ソラもわがまましていいよと受け入れてくれる。二人の合意がなければ、たとえ夫婦でも破綻します。

 『お酒は夫婦になってから』というタイトルは、この二人にとって、結婚し一緒に暮らしているからこそ出てくる言葉です。普段は日々頑張って仕事をしているから、ちゃんと自分をコントロールできているから、心から信頼できる人と一緒の時間は、お酒によってより一層おいしくなる。おいしいか否か以上の、心を解放する幸福がある。5巻49話では、二人でいることで「好きなもの」が増えたことに気づいて、言います。ちーちゃん「夫婦って、いいね」ソラ「いいよね。」

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 うらやましさ抜群の、ソラとちーちゃんのカップル。でも「お酒は一人きりになってから」という人もいれば「お酒は数人以上集まってから」という人もいると思います。それは全部、幸せなお酒です。ちーちゃんもきっと、お店で飲める人の幸せがうらやましいでしょうしね。

 おいしい楽しいお酒に、ちーちゃんとソラが、みなさまが、出会えますよう。そこでの体験・思い出が、よきものでありますよう。

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