宮司さん「ごめん、わからないや」 神様に願いを届けるべく「氏神神社」を探すレポ漫画が予想外に長い道のりだった
コントかな?
Twitterユーザーの陽(@yoh1192)さんが投稿した、「氏神(うじがみ)神社」を探して見つけるまでのレポ漫画が話題になっています。
氏神とは簡単に説明すると「その土地を護っている神様」のことで、漫画ではそれぞれの土地を護る一番身近な神様だとわかりやすく説明。そして氏神神社はその神様を祀っている神社で、今回陽さんはそれまで知らなかった自分の家の氏神神社を調べてみることに。
そもそもの始まりは、陽さんがたまたま参加した会合で出会ったおじいさんに「(その土地の神様を祀る氏神神社に挨拶に行かない住民は)神様の住民登録帳に載ってない状態になるので、いくら有名な神社に行っても存在が無いから願いが届かないんですよ」といった内容を聞いたことがきっかけ。氏神神社という存在を知り、「私の今までの願いは!?」とショックを受けた陽さんは、今後のことを考えて我が家がどこの氏子区域なのか調べることに。
ちなみにその人によると、本来は引っ越す前に住んでいた氏神にお礼とお別れの挨拶をして、引越後には新しい氏神に「これからよろしくお願いします」と挨拶をしないといけなく、それにより初めて願いが土地神から大神に伝えられて、願いと自分を繋ぐ縁を結んでくれるとのこと。もちろんこれらの情報については諸説あるため、これが正しいということではありませんが、これにより陽さんは“氏神神社を見つける”という強い意志を持つことになるのでした。
そして見つけるには、各都道府県に設置されている機関「神社庁」に電話で聞くとすぐ調べてくれるということで、さっそく聞いてみることに。普通はこれで解決……となるはずでしたが、返ってきたのは「その住所は登録されてないですね」の一言でした。……何だと?
どうやら戦後や現代の区画整理によって地名が変わったことにより、登録が更新されていないこともあるようで、そこから今度は最寄りの宮司さんを紹介してもらいます。その結果、まさかの「ごめん、わからないや」という言葉が。宮司さんでも……!?
説明によると、陽さんが住んでいる地域は旧集落の境目中の境目で、複数の土地が混じっている“超ややこしい土地”ということが判明するのでした。数百年前なら新しい社を建てるところを、現代では土地神を昔ほど重要視しないためそのままになっていたということのようで、しかたなく次は宮司さんに言われるがまま役所に聞いてみることに……するも、こちらでも「すいません……わかりません」という返事が。
ここでわかったのは、10年以上の古い資料は余程重要じゃない限り破棄されるということと、そもそも役所は住民の生活に向かい合う機関なので土地の管理は別ということ。そこで出てきたのが「法務局」の存在で、土木・建築のプロである陽さんのお父さんから情報を聞き、そこならわかるかもという状況に。1本の電話で終わるはずがすごいことになってきた……。
それでも法務局は遠いため、その前に近場の図書館で調べられるだけ調べてみることに。結果的には、たくさんの資料から一人で探すのは難しく、司書さんに頼るも調べたい内容がマニアックで資料がないということになるも、最新の住宅地図から年代を遡っていけば旧名の地図にたどり着けるはず……! とそのまま古い住宅地図がある県立図書館まで移動して探してもらうことに。
すると、まさかの「中綴じの所ですね……」と、どの本でも調べたい住所が真ん中の位置にあり、さらに曖昧な区分けで名称がわからないという事態に。これには陽さんも「笑かせおる」と困惑。ここまでくると証拠を消そうと動く“謎の組織”の存在を疑いたくなる気持ちもわかる……。
そして最終的に行くしかなくなった法務局。「神様に自分の願いを聞いてもらいたい」という目的で来るような雰囲気ではない場違い感を感じつつ、必要書類を書いて提出してはボロボロかつ貴重な「登記簿」(土地そのものの年表)を見せてもらうことに。
そうしてわかったのは、陽さんの家の付近にあるA~Dと4つある神様の地区の中で、「Dの地区だと思う」という宮司さんと、「B、C、Dのどれかだよ」という役所の人の意見から“絶対ない”と思っていた選択肢・Aの地区の神社ということが発覚したのでした。ほんとに最後までコントだった……!
長い調査の結果わかった氏神神社にその後お参りした陽さんは、今回のことを通じて「氏神神社の地区が大事というよりも、土地を作った先人に対しての感謝ということですね」として、「氏神=祖先神」ということから「私たちは遠い孫」で、だからかわいい孫を「よしよし」とするようになにがしかの縁を結んでくれるのかな、と自分なりの考えをまとめています。
この予想外な展開をみせたレポ漫画にコメントでは、いろいろ調べてたどり着いた結果に「素晴らしい」といった声や、そのドラマに「面白い!」などの声が寄せられ、同じように「氏神神社を探したくなった」という人の声も。上記で述べたようにおじいさんの話については諸説あるものの、自分の家の氏神神社を知らない場合は一度調べてみるのも、いろいろ見えてくるものがあって面白いかもしれません。
画像提供:@yoh1192さん
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