「東京では“不登校は復帰するな”と指導せざるを得ない」匿名の記事に注目集まる 都に見解を聞いた(1/2 ページ)
東京都に取材しました。
はてな匿名ダイアリーに「東京都の「不登校は中学に復帰するな」こんな指導をしなきゃいけない現状を知ってほしい。」という記事が投稿され、話題となっています。一体、何が起きているのでしょうか? 東京都に取材しました。
投稿によれば、いじめが原因で長期欠席していたある中学生が、都立国立高校の文化祭に感動し「ここに進学し、再出発したい」と決意。この中学生は内申点は低いものの、塾の模試では偏差値70オーバーという学力がありました。以前であれば内申点が低くても当日の筆記試験の得点で決まる特別選考枠があったのですが、今は廃止されてしまいました。
そして、この中学生を救う方法は「中学校には一切通わない」こと。中学校に1度も通わなければ、内申点がつかないので判定不能となり、内申点を除外して合否判定がされる。そのため、仮に復帰の意欲がある生徒であっても中学に登校するなと指導せざるを得なくなっているとされています。
実際、本当にこのような制度になっているのか、東京都教育庁総務部教育情報課に聞きました。
都立高校の試験制度は、推薦入試や定時制高校の入試などさまざまな制度がありますが、ここでは全日制課程における学力検査に基づく入試の第1次募集(面接・小論文等なしの学校)という前提で説明します。この制度では、学力検査(当日の筆記試験の成績)と調査書(内申点)の比率を7:3で配分し評価されます。
一方、「特別選考」というのは「募集人員の2割または1割について、実施校が定める部活動・生徒会活動への取組状況、出席状況など調査書、学力検査以外の選択尺度を各学校が独自の合否基準として設定する」ものとのことで、2年間の試行を経て平成11年(1999年)度から実施されました。この制度を「合格者の1割を学力検査の得点順位のみで決定する方法」として実施する高校があり、いわゆるトップ校と呼ばれる高校にも実施校がありました。そのため、病気、けが、いじめなど何らかの事情で休みがちになっていた生徒がこの制度で合格を目指すことはあったようです。
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