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スカートだからあっち向いててね 「からかい上手の高木さん」第4話の“からかいポイント”(1/2 ページ)

【ネタバレあり】2人の関係って、他からどう見えてるんだろう?

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(C)Soichiro Yamamoto / Shogakukan 2014-2018.

 エンディングのCD発売が発表されたアニメ「からかい上手の高木さん」。全部で7曲になるようです。「気まぐれロマンティック」「AM11:00」以外、どの曲のカバーになるのか……これからが楽しみですね。アニメ4話で繰り出された高木さんのからかいポイントを振り返ってみましょう。

その1:からかい度数60・どんなカンジなんだろうねー青春。「掃除当番」

 西片君が授業中うるさくて、先生に呼び出しをくらって掃除当番をするハメに。もっとも授業中にうるさくなっているのって、高木さんが西片君にちょっかいをかけているからなのですが、高木さんは巧みに先生からのお叱りを回避済み。からかうためだけに掃除の時間残っていた高木さんに、西片君はがくぜん。

 高木さんが西片君と2人っきりになれる時間は、彼女が意図的に捻出しないといけない。授業中は隣でも、ある程度抑えないといけない。普段は2人とも友達と一緒の行動が多いようです。マンガで描かれているのは、高木さんが手に入れた、貴重な時間の断片です。

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 今回の罰当番タイム、西片君が先生に怒られたのは偶然かもしれないけれども、そこからの2人の時間をどうつかみとるか、高木さんはちゃんと考えて行動している。ジャンケンによる掃除区域決めのゲーム形式を提案したことで、西片君がただイヤな時間を過ごさず、一緒に楽しめるよう配慮もできている。負けたと悔しがりながらも、楽しそうだもん、西片君は。

さすがにわかるだろ、西片君?(2巻P84)

 この話は、友人の中井君・真野ちゃんのカップルが、西片君・高木さんをどう見ているかが描かれる重要な回。中井君は2人は仲がいい同士でありまだ恋人ではないだろうと思っているようです。さすが一歩先に進んだヤツラは鋭いぜ。

中井君は原作で何回か出てきます。めちゃくちゃいい子です(2巻P77)

 2人がどう見られているかは、4話の「尾行」にもつながっていきます。微妙なバランスに気付くかどうか、発育途中の中学生の反応はバラバラです。

その2:からかい度数80・女の子のスカートの中見るなんてことしないよね? 「逆上がり」

 西片君、幼いがゆえに通常時は高木さんのことを「女子」扱いしていない。そのため、高木さんがチラッとだけ「女」であることを見せると、途端に弱々しくなる。

 鉄棒で逆上がり対決を高木さんにしかける西片君。「最近高い方の鉄棒で逆上がりしてみたら、生まれて初めて成功してしまった」というのが理由。1回だけかよ! まあ攻めるポイントはそこよりも、スカートでは逆上がりできないというところ。

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 ここで高木さん、意外にも引き受けた。「ただし私が逆上がりしてるときは、あっち向いててね」

 おわかりいただけただろうか……。女子が、スカートで、目の前で、逆上がりをする。スカートが翻る。そりゃ見られない。見たら(エロ扱いされて、学校社会的に)死んでしまう。絶対断ると思っていたのに……。

 彼の子どもっぽいところを、高木さんは見抜いている。勝ち負け目的でこっちを見るだろうと。こっそり見たのが判明して、西片君に意地悪っぽく言います。

 「エッチ」

中学生時代に、女子に「エッチ」って言われるのは、人生の財産になるんだぞ(3巻P100)

 この作品自体、ダイレクトに性を喚起するシーンはありません。西片君が高木さんをそういう目で見ていないから。だからこそ高木さんがたまに直球を投げると、西片君の中にモヤモヤが芽生えます。芽生えさせすぎないさじ加減で攻めるのが、高木さん流。多分短パン履いてなかったら、さすがに西片君にスカートの中を見せることはしなかったと思います。高木さんは、そういうエロスな関係になりたいわけじゃない。

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番外編1:高木さん、からかいを我慢する「風邪」

 高木さんはからかってしまうのを「悪いクセ」だと度々言っています。西片君を見ると、反射的にからかってしまう。恋人がつい手をつなぎたくなる感覚と同じくらいなんじゃないですかね。

 でも西片君、風邪をひいてしまった。

 高木さんは西片君をバカにしたいからからかっているわけではない。本当にイヤなことはしない。体調が悪いのを心配し、からかいを自省しようと努力します。

必死にからかいをこらえる高木さん(1巻P125)

 高木さんが必死に自分を抑えるシーンは、かなり珍しい。普段は西片君が、嫌がってはいるけど、キャッチャーミットを待ち構えているようなところがあるので、からかいの球を投げやすい。高木さんは、コミュニケーションを取りたいのです。

 「掃除当番」の回で描かれるように、彼女が求めているのは「青春」です。彼女なりに自分をコントロールしているのは、西片君のためであり、自分のためでもあります。だけど「悪いクセ」でついからかっちゃう。ここが、いつもは賢く立ち回る彼女の、素の部分。

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番外編2:あの2人、他から見たら「男女の仲」だよね……「尾行」

サナエによるアフレコ。これがビンゴなんです(3巻P141)

 クラスメイトの3人組を通じて、周囲が2人をどう見ているかが描かれます。恋愛に目覚めている子たちなら、2人の微細な関係にピンと来やすい。西片君の友人のように、うっすら気づいていても空気を読む層もいる。もちろん、全然気付かない子もいる。

 まずメガネのユカリは、めちゃくちゃ敏感に反応。幼い太眉のミナは、興味が別のところにあるので、思考が恋愛方面に向かない。眠そうなまぶたのサナエは……この子は割りと鋭そうだけど、どうなんだろう? サナエのアフレコが完全一致しているので、もしかしたら関係を理解しているのかもしれないのですが、割りとひょうひょうとしています。

 ユカリがやたら2人に興味を持つのは、恋愛そのものに興味があるから。ここはスピンオフ『恋に恋するユカリちゃん』をぜひ読んでみてください。恋バナしたいお年頃だと、人の恋愛が大事件のように見えちゃうものです。

青春がここにあるじゃん!(3巻P146)

 尾行されていたのを逆手にとって、2人で一緒に隠れる、という青春タイムをゲットした高木さん。急いで次の角を曲がればいいところで、隠れる方を選んでいるのだから、意図的、でしょう? やるねえ!

 中1くらいだと大抵は西片君みたいに、自分の幼さを客観視しきれないもの。一方高木さんは自分が背伸びをしていることをちゃんとわかって調節している。どのくらいが自分にとって楽しい状態か、考えて行動できるようになったら、青春の始まりです。

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