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「お客様の現在の努力では」―― 10年超続くメイドカフェの投稿が物議 担当者が語る「旧来型メイドカフェが淘汰されつつある秋葉原の今」(1/2 ページ)

2004年にオープンした「ミアカフェ」東京店に取材しました。 ※2月26日追記

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2月26日追記

 本記事はTwitterアカウント「ミアカフェ・ミアリラ&フォト東京店」(@mia_group)によるツイート、Twitter担当者への取材を主な情報源としていますが、公開後、同店の元女性スタッフ2人から、事実に反する印象を与える内容が含まれているとの問い合わせがありました。ねとらぼ編集部はミアカフェ側、元女性スタッフ側双方に対し、事実関係の確認を行いました。

元女性スタッフ側の主張

  • 「メイド」を務める女性スタッフは雇用契約書を交わしておらず、突然、一方的に解雇されることがあった
  • 店長が不定期に、時に1万字を超える長文のメールをスタッフに対して送っていた。その中で、スタッフの解雇理由を高圧的な表現を用いながら説明していた
  • 社長と添い寝や2人でのドライブ、同室宿泊など、女性スタッフに対するセクハラ、モラハラがあった
  • ミアカフェはビラ配りを行っており、女性スタッフから「義務的な業務」として認識されていた(※)
  • 「ミアカフェ・ミアリラ&フォト東京店」の経営難を訴えるツイートは、同店に都合よく書かれており、細かなうそが多数含まれている
  • 同店Twitter担当者は「男性アルバイト従業員」ではなく、男性経営者(店長)と推測される(長文のメールと内容などが似ていることから)

※ミアカフェTwitter担当者は本記事の取材時、ビラ配りを「現代型メイドカフェ」の特徴の1つに挙げていた(同店は、これにより苦境に追いやられている「旧来型メイドカフェ」に属するとした)。また、「ミアカフェは基本的にお店としてメイドさんにビラ配りをお願いしていません」ともツイートしている。

ミアカフェ側の主張

 元女性スタッフ側の主張について、ミアカフェTwitter担当者に質問を行いましたが、「当社としては、本件については公式的には無回答」とのこと。その理由の1つとして、記事公開後から長文メールのキャプチャーと思われる画像のアップロードなどを行い、ミアカフェに関するツイートを続けている「元メイド@秋葉原」(@motomaiddesu)に対し、信用毀損罪、業務妨害罪などで法的措置を検討していることを挙げています。

今回の修正について

 元女性スタッフ、ミアカフェ側から回答を得るにあたって、「元メイド@秋葉原」の投稿内容をもとに質問を行っています。これは、元女性スタッフ側が自身の持っている情報を明らかにすることで、個人が特定されることを強く警戒していたため。なお、編集部は今回の追記に際し、同アカウントに掲載許可をとっています。

 「元メイド@秋葉原」を含む、元女性スタッフらはミアカフェの労働条件のおかしさやセクハラ、モラハラなどを訴え、回答内容もおおむね一致していましたが、ミアカフェ側から掲載可能なコメントを得ることはできませんでした。また、彼女らはすでに退職しており、現在の状況について言及したものではありません。

 以上のことから、今回の修正では既存の記事内容に手を加えず、双方に回答を求め、それを追記する形で対応をとることとしました。

(以下、記事本文)

 2004年から営業が続くメイドカフェ「ミアカフェ」。秋葉原に店舗を構える東京店が、先日から「(同店は)会社にとってお荷物」「守りたいなら、これは義務だと思って、お客様に本当にお願い」などと経営難を訴えるツイートをするようになり、Twitter上で物議を醸しています。

 同店に取材したところ、「現代的メイドカフェへの警告と提言」「“安くて質の高いサービス”の危険性について、少し立ち止まって考えてほしい」といった思いから投稿しはじめた、とTwitter担当者。メイドカフェ業界で何が起こっているのか話を伺いました。

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ミアカフェ 東京店Webサイト
2017年9月時点のミアカフェ 東京店。ビルの2階以上には、同グループの他事業店舗が入っています(Googleマップより)

「現代型」に淘汰されつつある「旧来型メイドカフェ」

 普段、ミアカフェの公式Twitterアカウントが発信しているのは、出勤スタッフ、開催イベントなどの営業に関わる情報。しかし、2018年2月2日ごろから「ここ5年ほどはずっと大赤字」「お客様のご協力がないと、お店の運営は正直なところ、時間の問題です」など、店舗存続のための協力を求めるツイートをするようになりました。

 一連の投稿には「お客様の現在の努力では、ミアカフェは会社にとってお荷物」といった強い口調の訴え、他店への批判なども含まれており、Twitter上では「客が来ない理由を他店や客の意識の問題にしていませんか?」「客商売の勉強したほうがいい」と批判する声も。

 同アカウントは2月3日ごろ「世の中を騒がしてしまい、本当に申し訳ありません。勢い余って、非難してしまった同業他店様には本当に申し訳ない」と謝罪しましたが、その後も「かなり商業主義寄りにしないと、現在の秋葉原でお店を成立させるのは難しくなりつつあります」「業界全体をよくするために、それぞれの答えを出していきましょう」などと投稿を続けています。

Togetterにもまとめ記事が。制作者は一連のツイートに対し、かなり否定的な印象を受けたようです

 なぜ、このような投稿を行っているのか取材したところ、Twitter運用を任されている男性アルバイト従業員が経緯を説明してくれました。

 「ミアカフェはこのままだと閉店するほかない状況で、会社からは自由にやっていいといわれている。当社代表はミアカフェ部門に全く関知しておらず、全て当方の判断。現在、当店のような『旧来型メイドカフェ』はどこも、遅かれ早かれ店を畳まざるを得ない状態にあり、同業他社が思っていそうなことを書いてみた。平和だったころの秋葉原を取り戻せるなら、その人柱になっても構わない」(Twitter担当者)

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 同氏の言う「旧来型メイドカフェ」は明確な定義が難しいものの、基本的には喫茶店らしい雰囲気を重視した店舗を指すとのこと。具体的には、以下のような特徴があるといいます。

  • メイド服を基本的な制服としている
  • グッズ購入や、メニューの注文を不必要に勧めず、ファミレスや一般喫茶店と大差ない雰囲気
  • 店舗内で、ショーなどの過剰な演出を行っていない
  • 「愛込めにゃんにゃん」的な分かりやすい演出が少ない(※)

※ 愛込めとは、料理をおいしくするおまじない、儀式のこと。やり方は店舗によって異なり、指でハートマークを作って「萌え萌えきゅん」と言うなど

 これに対して「現代型メイドカフェ」とは、これらの条件から外れる店舗の中で、ビラ配りなどによる過剰な客引き、キャバクラ、ガールズバーに近いサービス内容などの特徴があるもの、とTwitter担当者。「あえて言うなら、メイドカフェ風ガールズバー」と表現しています。

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