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大雨で日産スタジアムや新横浜公園が浸水、Twitterに写真続々と 実は洪水を防ぐための“裏の顔”

鶴見川から水があふれ出て、日産スタジアムの柱がつかっているけど、大丈夫なの?

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 日産スタジアム(神奈川県横浜市港北区)は3月9日、前夜からの大雨の影響で鶴見川の水が1階通路や隣接する新横浜公園に浸水し、一部エリアや公園施設を閉鎖したことを発表しました。Twitterにはスタジアムの周囲の通路や公園の遊具が水没して見えなくなっている様子が、写真で次々と投稿されています。

浸水した新横浜公園の様子(日産スタジアム公式サイトのトピックスより)

 関東では8日夜から9日朝にかけ局地的な大雨に見舞われ、神奈川県海老名では1時間に72.5ミリと関東で3月最大の雨量を記録。気象庁は4時50分、鶴見川に氾濫警戒情報を発布し、市町村からの避難情報に十分注意するとともに適切な防災行動をとるよう呼び掛けていました(7時50分に解除済み)。

 日産スタジアムが一時的に閉鎖している区域および施設は、新横浜公園中央広場と、日産スタジアム1階リング通路を含んだ公園1階エリア。写真では1階をぐるりと囲むように大きな水たまりができている他、公園では建物やトイレが半分ほど水につかり、ネットや木々の頭だけが水面から見える様子が確認できます。コンサートやサッカーの試合によく利用される施設だけあって、通常と違う光景にネットでは驚きの声が続出しています。

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 今後の営業を心配する人もいるかもしれませんが、実は日産スタジアムと新横浜公園は、鶴見川の氾濫を防ぐためあえて水を溜め込む「多目的遊水地」の役割をもった施設。昔から鶴見川流域は洪水被害が多く発生する地域であったため、国土交通省京浜河川事務所管理の下、河川から溢れ出した水を引き込んで洪水被害を低減させる機能を持って建設されました。日産スタジアムが1000本以上の柱の上に乗る形で建設されているのも、洪水時にスタジアムの下に水を流しこむ仕組みになっているからです。

日産スタジアム、多目的遊水地の仕組み(日産スタジアム公式サイトより)

 関東に訪れた春の嵐のすさまじさを物語る一方、水害対策への知恵も見られた、日産スタジアムの“裏の顔”でした。

黒木貴啓

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