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目指すは「FGOらしさを表現しつつ、アナログゲームとして面白いものを」。ボードゲーム「FGO Duel」を遊んできた

「マスター体験」をボードゲームで。

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 人気スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」(FGO)プロジェクトが、「スマホの外」に出る取り組みを加速させています。8月に対戦型ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel -collection figure-」(FGO Duel)の第1弾を展開。FGOを開発・運営するディライトワークスは6月13日、記者向けの体験会を実施しました。


「Fate/Grand Order Duel -collection figure-」第1弾が8月に発売される。左から、ディライトワークス塩川洋介さん、ワンドローの木皿儀隼一代表と「チーム内で一番FGO好き」の小宮山佳太さん

 FGO Duelは、FGOの世界観やバトルシステムをカードゲームとして再現したボードゲーム。キャラクターを再現したミニフィギュアが用意されているため、コレクション性があるのも特徴です。

 FGOが「スマホの外」に出るのは初めてではありません。VR(仮想現実)のコンテンツ配信や、イベント「リアル脱出ゲーム」の開催、ゲームセンターのアーケードゲームなど、さまざまな方面に展開しています。その狙いを、ディライトワークスのFGO PROJECTクリエイティブプロデューサー塩川洋介さんはこう話します。

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 「FGOプロジェクトでは、ファンのみなさんにさまざまな側面から『マスター』(プレイヤー)体験をしていただきたいと考えています。現実世界でFGOのバトルを楽しめればマスターの体験として面白いのではないか、いつもスマホで見ているキャラが現実でフィギュアとして手に入ったらテンションが上がるのでは……というところからボードゲームの企画が生まれました」(塩川さん)

 スマホゲームとボードゲームは一見接点がないように思えますが、塩川さんによると「FGOのバトルシステム設計にはTCG(トレーディングカードゲーム)などのボードゲームのエッセンスが含まれています」といいます。

 FGO Duelのゲームルールは、多くのオリジナルボードゲームを手掛けるワンドローと共同で開発しています。「ゲーム部分はフィギュアのオマケではなく、ボードゲームに不慣れなFGOファンも、コアなボードゲームファンも楽しく遊べるものにしたいという思いがあり、ゲーム作りに精通している方と作ることを決めました」(塩川さん)。

 ワンドローからは、代表の木皿儀隼一さんと「チーム内で一番FGO好き」だったという小宮山佳太さんがルール開発に協力。ディライトワークス側で作ったプロトタイプをテストプレイし、ブラッシュアップしていきました。「どうやったらFGOらしさを表現しつつ、アナログゲームとして面白いものになるか」のバランスを調整していったといいます。

スマホゲームをボードゲームに落とし込んだゲームデザイン

 FGO Duelでは、各プレイヤーが3体ずつサーヴァントを用意して戦います。サーヴァントにはそれぞれゲームでの性能を再現した「コマンドカード5枚」「スキルカード1枚」が付属しています。勝利条件は、「相手のサーヴァント3騎を消滅させる」もしくは「相手の『マスターエリア』に到達する」こと。プレイヤーはマップの上で交互にフィギュアを動かし、相手のサーヴァントと交戦します。

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キャラクターごとにパラメータが設定されている

 「FGOはキャラそれぞれにファンがついているゲーム。ボードゲームでどこまでそのキャラを再現できるかに注力しました。まずボードゲームでのパラメータを設定する前に、『スマホゲームではこのキャラはどういう役割を持っているのか?』を書き出し、ディライトワークスさんのフィードバックを受けて作り上げていきましたね」(小宮山さん)

 例えばマシュ・キリエライトなら「防御」、クー・フーリン〔オルタ〕なら「しぶとさと強い攻撃力」――など、スマホゲームでの特徴がボードゲームでの能力に反映されているのです。また、スマホゲーム内のシステムで重要な「チェイン」もカードゲームで再現。キャラクター固有の「コマンドカード」をうまく組み合わせることで、さまざまな戦略の可能性があります。


塩川さんと小宮山さんのプレイ。大熱戦の末に塩川さんが勝利

 ――と書いていくと複雑そうなゲームに思えますが、ゲームシステムは非常にシンプル。ボードゲーム経験のほぼない人や、FGOを知らない人でも、やり始めるとだんだんルールが分かってきます(ちなみに筆者が一緒にプレイした記者さんはFGO未プレイ&コアなボードゲームファン、筆者はFGOファン&ボードゲームほぼ未経験でしたが、接戦の末こちらが負けました)。

 約10~30分ほどの1プレイで、かなりツボが飲み込めるはず。慣れていけば、相手プレイヤーが使ったカードからの残り手札予想や心理戦もできそうです。一緒にプレイした記者さんに感想を聞くと、「意外なところで引きが悪くて攻め切れずにちょっとイラッとしたり、ちょっとした判断ミスでピンチになったりするボードゲームらしさがありましたね」とのこと。


クー・フーリン〔オルタ〕の手痛い一撃に敗北しました

 「スマホゲームのFGOには対人戦要素はありませんから、Duelの対人戦というのはある意味禁断のエッセンス。スマホではできない『マスター同士の対人戦』を疑似体験していただきたいです」(塩川さん)

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「宝具」どうなる?

 フィギュア1体と、ゲームバトルに使用する「コマンドカード5枚」「ステータスカード1枚」「スキルカード1枚」のセット(ランダム)で税込1200円です。マップとプレイシートはWebで無料ダウンロードができます。8月発売の第1弾はアルトリア、ギルガメッシュ、スカサハ、女王メイヴ、マーリン、“山の翁”、クー・フーリン〔オルタ〕、マシュの8種を展開。9月にはジャンヌ、カルナ、エウリュアレ、ジル・ド・レェ、アステリオスの5種を発売します。今後、順次新シリーズの追加を予定しています。

 第1弾の発売に先駆け、先行体験会を7月15日に秋葉原UDX AKIBA_SQUARE(東京都千代田区)で開催。抽選の応募を6月13~27日の期間公式Webサイトで受け付けます。また、今後は大会の開催なども検討しているのだとか。

 「FGOファンには『新しい形のFGO』として、FGOを知らない方にはFGOの世界への『入口』として楽しんでいただきたいです」(塩川さん)


キービジュアルも同日発表

 ちなみにプレイしていて少し残念だったのが、FGOの魅力の1つ――いわば“必殺技”である「宝具」がシステムに盛り込まれていないこと。やはりマーリンが手元にいれば王の話をしてもらいたくなりますし、アルトリアがいれば聖剣エクスカリバーをブッパしてほしい……。

 塩川さんによると「宝具は今後のアップデートでの検討になります。まずは8~9月の展開で、ゲームやフィギュアとしてどのくらいの方々に受け入れられるかが課題です。支援していただける中で、アップデートを含めいろいろな展開を考えていければと思います」とのこと。宝具の運命はマスターたちにかかっている……!

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