警察庁が「仮想通貨マイニングツール」に注意喚起 「法的根拠が示されていない」と批判も(1/2 ページ)
法的な線引きがあいまいなままに摘発が行われる状況に批判や懸念の声が。
警察庁は6月14日、仮想通貨を採掘する「マイニングツール」について、閲覧者に設置していることを明示せずに自身のサイトに設置した場合、犯罪になる可能性があるとして注意を呼びかけました。これに対し「法的根拠が示されていない」など批判的な意見も寄せられています。
マイニングツール設置で摘発、批判の声も
マイニングツールは、PCの処理能力を利用して、仮想通貨を入手するツール。Webサイトにこうしたツールが設置されている場合、閲覧者のPCの処理能力が利用されることがあります。14日にはマイニングツール「Coinhive」を閲覧者の同意を得ずに設置したとして、全国の10県警によって不正指令電磁的記録供用容疑などで16人が摘発されたことも報じられています。
警察庁はこの種のツールを自身のWebサイトに設置することを検討している人に対し、「自身が運営するウェブサイトに設置する場合であっても、マイニングツールを設置していることを閲覧者に対して明示せずにマイニングツールを設置した場合、犯罪になる可能性があります」と警告しています。しかし「なぜ犯罪になるのか説明がない」「どういう罪になるのか示していないのは問題では」と指摘が相次ぐ形に。また今回の摘発についても「法の乱用」「恣意的な解釈」といった批判の声が出ています。
「不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪」)」では、処罰の対象について「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」と定めています。
確かに明示せずにマイニングツールを設置した場合は、持ち主が意図していない形でPCの処理能力が使われてしまいますが、その点では「勝手に再生される動画広告」なども同じこと。法的な線引きがあいまいなままに摘発が行われる状況に批判や懸念の声が多くあがっています。
弁護士「Coinhiveが違法ならWeb広告なども違法になってしまう」
果たして今回の摘発や、警察庁の注意喚起は適切といえるのか。グラディアトル法律事務所の若林翔弁護士に聞きました。
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