東名高速あおり運転事故でデマ書き込み、11人書類送検 被害社長は民事訴訟検討「転載した人も同罪」
民事訴訟を検討しているとのこと。
神奈川県の東名高速道路で2017年6月、あおり運転を受け停車したワゴン車が大型トラックに追突され夫婦が死亡した事故に関連し、2017年10月に無関係の企業に中傷や嫌がらせが集中した事件で、Web上に個人情報やデマを書き込んだ11人が6月19日に書類送検されました。
被害に遭ったのは福岡県北九州市にある「石橋建設工業」とその関係者。事故を起こした容疑者の名字が企業名と共通していたことや、容疑者の生活圏が企業所在地とある程度合致したことで、各種掲示板やSNS上などで石橋建設工業を「容疑者の勤め先」などと断定する書き込みが拡散。さらに一部のまとめサイト(キュレーションサイト)もデマを助長する記事を作成したことで、さらにデマが拡散しました(関連記事)。
11人が書類送検されましたが、被害に遭った石橋秀文社長はこれで一区切りとは考えていないようです。石橋社長に現在の心境を聞きました。
――11人が書類送検された率直な感想を教えてください。
石橋社長:少しほっとしています。動いてくれた警察など関係者の方々には感謝しています。でもこれで終わりというつもりはありません。個人情報が流出し、襲撃予告まで受けました。今回の11人以外にも、デマに加担した人は大勢います。情報を転載しただけの人間も、私は同罪だと考えています。
――あらためてデマ拡散時に受けた被害について聞かせてください。
石橋社長:容疑者が逮捕された翌日、10月11日の朝から電話がかかってきました。50~100件ほどの電話が連日来て、それから1週間ほどは事務所を休んだりとばたつきました。ただ、18日ごろからは私達の被害が報道されるようになり、10月末には電話の件数も3分の1ほどになりました。
――それでも数件から数十件は来てたということですよね……。
石橋社長:11月末には無言電話やワン切りが散発的に来る程度にまで減り、完全になくなったのは年末ごろでしたので、完全に収まるまで2カ月はかかっています。
――書類送検された11人に対して今後どのような対応を予定していますか。
石橋社長:11人に対しては民事訴訟を考えていて、これから弁護士と相談する予定です。転載しただけのグレーの人間に対しても、今後特定ができれば同じ対応をしたいです。
お客様やお取引先にもご迷惑をおかけしましたので、それぞれご説明に上がったりという実害もありました。捕まっていない人間が「ほら逃げられた」という状態を許してはいけないと思います。警察には引き続き、転載した人たちについても調査をしていただくよう要請していきます。
炎上事案があるたびに問題視される“ネット私刑”。仮に炎上の原因が犯罪行為であっても、無責任な“私刑”は関係がない人まで巻き込み取り返しのつかない被害を招きかねません。
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