子ども目線でかっこよさ追求 大人の心も奪った「竜騎士ランドセル」誕生の背景
参考にしたのはドラゴンの像でした。
「かっけえ」「すごすぎて言葉が出ない」――英国の竜騎士(ドラグーン)をイメージしたというランドセル「モデルロイヤル ドラグーン」が先ごろ登場し、大人からも注目を集めました(関連記事)。
竜騎士のヨロイに身を包んだ男の子がランドセルを背負って華麗に剣を構えた姿を商品ページに大きく配し、CMでは魔法陣の中で男の子がエンブレムを掲げると、ランドセルを背負った竜騎士に変身するという演出。かっこよさあふれる商品コンセプトやプロモーションについて、メーカーのセイバンに聞きました。
同社によると、ランドセルのモチーフに「竜騎士」を選んだのは、モデルロイヤルの新作をデザインする上で「イメージとして中世ヨーロッパを表現できること」「男の子の心をぐっと引きつける今までにないかっこいいランドセルを作成すること」を実現することを考えた結果。男の子が好きな剣、盾、鎧、ドラゴン、ユニオンジャック……と試行錯誤する中で、「イギリスの竜騎士」というコンセプトに至ったとしています。
竜騎士という言葉にアニメやゲームのキャラを連想する人もいそうですが、同社が参考にしたのは、シティ・オブ・ロンドン(ロンドンの金融街)の境界で、盾を抱え込んで勇敢に佇むドラゴン像。ドラゴン像が街を守る姿を、男の子の勇敢さとリンクできればと思ったとしています。
騎士やお姫さまのようなコンセプトのデザインは、過去のラインアップにもあったそうですが、今回はあくまでも「剣と盾をモチーフにした騎士モデル」ではなく、「ドラゴン像の持つ勇敢さ」が加わった「竜騎士」がテーマとのこと。
さらに同社では、CMなどのプロモーションで1つのモデルをフィーチャーするのは4年ぶり。一番の主役である子どもから「かっこいい・かわいいランドセルといえば○○○」と支持されるようCMを製作したと同社は語ります。「お子さまは特にデザイン面が重視ポイントであることから、デザインを特徴的にした、完全に大人を無視したお子さま目線でのCM制作となりました」(セイバン広報担当)
子どもに「竜騎士」を伝えるうえで、どのようにすれば“かっこいい”と思ってもらえるか議論を重ね、「竜騎士といえば……」から生まれたイメージがCMに登場する竜騎士の衣装デザインとのこと。「『竜騎士といえば槍でしょ!』のお声は重々承知しております! 某キャラクターに似すぎというのはCM開発当初からもあり、ダークな一面を想起いただかないように、鎧の色を明るくしたりなどいろいろ試行錯誤いたしました……」と苦労を語ってくれました。子ども目線を重視し、最終的にはそういった大人の声はあえて無視した面もあるとのことですが、「結果的には世代の方々には想起されてしまいましたね(笑)」(広報担当)。
今年の「モデルロイヤル」新作は竜騎士モチーフのブラックの他、お姫様モチーフの赤もあり、いずれもランドセル側面のエンブレムにスマホをかざすことで、騎士やお姫様に変身できるAR(拡張現実)機能も用意されています。ARアプリでの変身は初の試みで、ランドセル選びを親子で楽しむために開始した施策と同社。
「当社のランドセルは背負っていただくことで、はじめて機能の良さを感じられます。ぜひ店頭で背負って体感してほしいという想いも込められた施策です」(広報担当)。今後はARアプリをもっと使用して楽しんでもらえる施策を展開予定としています。
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