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「おもいやり運転ハンパないって!」熊本県警がまたW杯クラスの秀逸標語 「ハンパない思い」4代目担当者に聞いた

標語に込めた思いもハンパなく深いものでした。マジで交通安全を。

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 またやってくれたぞ、熊本県警察さんが! ユーモアあふれる交通標語、そして時事をうまく絡めて“仕事が超早い”ことで知られる熊本県警の交通安全情報板(関連記事)。今回もサッカーワールドカップにちなんだ交通安全標語をいち早く掲示し、「仕事早すぎてハンパないっス」「座布団10枚!」などと話題になっています。

いち早くW杯ネタを取り入れた交通安全情報(熊本県警察本部Twitterより)

 でも……「プレッシャーもハンパない」そうです。この標語に込められたハンパない思いとは──。熊本県警察本部の担当者を取材しました。

熊本県警察本部(公式)つぶやき

 話題になっているのは「おもいやり運転ハンパないって!」「二日酔運転 人生にオウンゴール×」というもの。「半端ない」は、6月19日に行われた日本対コロンビア戦において、決勝点を決めた大迫選手を称賛する言葉です。

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 「情報板のプレッシャー半端ないって!!」という言葉とともに今回の標語をTwitterに投稿した熊本県警察交通企画課の標語担当者“本官”さん。どれほどのプレッシャーなのでしょう。

「正直、やばい」と思った。プレッシャーは半端なかった

 熊本県警察の時事ネタを使った交通標語は過去に何度も話題になっています。例えば「飲酒運転 ダメよ~ ダメダメ」、「スマホ運転お前はもう事故ってる」、「ベルトしてひとっ走りつき合えヨ」、「お先にどうぞ ゆづる心に金メダル」「安全運転大事だよね そだね~」などなど。担当者は数年ごとに入れ替わっており、本官さんは4代目。2018年4月から担当しています。過去の偉業を背負っての着任です。

── 情報板の担当のプレッシャー、半端ないですか?

 担当に決まったときは「正直、やばい」と思いました。本音を言うと、この仕事以外ならばどの仕事でもいいとさえ思いました。それくらいやばいです。でも、着任したからにはしっかりやります。力の限り精いっぱいやっています。

── 先輩からのアドバイスは何かありましたか?

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 「とにかくネタを拾うんだよ」と言われました。

── サラリとですね(笑)。それで、ワールドカップに注目していたと

 正直、結果より何かネタはないかなと思いながら見ていました。試合終了後「大迫半端ないって」の旗が掲げられているのを見て「おやっ?」と思いました。いい言葉があったとしても、こちらは交通安全が第一。難しかったのですが、うまくいきました。

── 今回の標語、周囲の反応は?

 知り合いからかなり多く「今回のはいいねー」と電話が掛かってきました。自分が担当してからこんなことは初めてです。既に退職された昔の上司からも「いいね」の声をもらいました。

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── ヒット作が出た今の心境は?

 本当にホッとしました。実は今回が6作品目なのです。これまでは評判がイマイチでして……。例えば北島康介さんの「ちょー気持ちいい」を使ったネタは、睡眠、スイミング、ツーリングとかかっていて、とても奥が深い、ひねりが効いているぜと思っていた自信作だったのです。

 でも出してみたら「古い」と散々……。へこみました。

 とはいえ、交通安全を願う思いが多くの人に広がってよかったと思います。

── 先輩方の作品でお気に入りはありますか?

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 冬季オリンピック時の「お先にどうぞ ゆづる心に金メダル」(関連記事)は本当にキレイですよね。誰もが注目した時事ネタをズバッと拾いつつも、重要な交通安全情報をきちんときれいに含めています。あれを超えるものはしばらく出ないと思ってます。

五輪ネタをいち早く取り入れた交通安全情報

 個人的に好きなのは北斗の拳を使った「スマホ運転お前はもう事故っている」(関連記事)です。

YouはShock!

 平野ノラさんのネタを使った「歩行者とびだし おったまげ」やブルゾンちえみさんのネタを使った「黄色信号 行かない!待つの。」(関連記事)も、うまいなと思いました。

とにかく乗っかるのが早い

ホットな交通安全情報とその思いを込めている

── 今回の標語にはどんな意味が?

 「おもいやり運転ハンパないって!」は、ドライバーに歩行者への思いやりをあらためて持ってほしい願いを込めています。

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 信号のない横断歩道に歩行者がいるとき、自動車は必ず止まらなくてはなりません。でもなかなか浸透しません。JAF(日本自動車連盟)が2016年9月に公表した実態調査によると、「信号のない横断歩道では、9割以上の車両が止まらない」という悲しい実態が分かりました。

 熊本県警察では「横断歩道 止まって渡す『思いやり』キャンペーン」を数年前から実施しています。横断歩道に歩行者がいたら止まる。「おもいやり運転を皆さんに広げたい」と真剣に取り組んでいます。

熊本県警察の思いやりキャンペーン(熊本県警察より)

── 二日酔い運転は?

 「二日酔運転 人生にオウンゴール×」は、絶対にやってはならない飲酒運転についての意外な結果から思い付きました。

 飲酒運転による事故が多い時間帯は、夜10時台と朝7時台です。夜は分かると思いますが、朝7時台は意外でしょう。

 恐らくは、朝までコースとはいわずとも遅くまで飲んでいたか、二日酔い状態での運転だと想定されます。ですから、朝にお酒が少しでも残っていたら、二日酔いの各種症状が少しでもあるならば、絶対に運転をしてはなりません。アルコール血中濃度うんぬんではありません。

 道路情報板では文字数制限もあるので、なかなかここまでは伝えられないのですが、Twitterなどでは情報を補足して真意も伝えていく思いです。ぜひTwitterも見てください。


 時事ネタ交通安全情報板には、ここまで熱い交通安全情報、そして交通安全への願いが詰まっているのです。

 この道路情報板は熊本県内の一般道、主に大きな道路に設置されています。渋滞がないときに交通安全情報が表示されます。この安全情報を見かけたときも、見かけていないときも「半端ないおもいやり運転」をよろしくお願いします。

高橋ホイコ

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