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路面電車が3両同時に交差点ですれ違う! とさでん交通の奇跡「トリプルクロス」がすごい(1/2 ページ)

ダイヤモンドクロッシングでも有名な「はりまや橋交差点」が起こす軌跡、いや奇跡。

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 路面電車の奇跡の現象「トリプルクロス」がマジすごいぞ! と注目が集まっています。

高知県高知市にあるダイヤモンドクロッシング「はりまや橋交差点」(とさでん交通より)

 その場所は、とさでん交通の路面電車が走る高知県高知市の「はりまや橋交差点」。もともとこの交差点の線路は「ダイヤモンドクロッシング」という珍しい軌道構造になっています。

 ダイヤモンドクロッシングとは線路が十字状(直交)、あるいはX字状(斜交)に平面交差(交叉)する地点のこと。交わった中央部がダイヤモンド形(ひし形)に見えることからこう呼ばれます。中でも直交ダイヤモンドクロッシングは、ここを含めて日本に3カ所しか現存していないといわれています(2018年7月時点)。

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 この交差点へ、なんと路面電車が3両同時に進入することがあるのです。この現象が“トリプルクロス”です。

奇跡の現象「トリプルクロス」とは

 はりまや橋交差点のトリプルクロスは、右折信号や左折信号が出ているほんの数秒間に、3両の路面電車が交差点に進入して実現します。

 はりまや橋交差点は、北が高知駅方面、南が桟橋方面、東が知寄町方面、西が県庁前方面。3両の路面電車はそれぞれ以下のように進みます。

  • 県庁前方面から、高知駅方面に左折する
  • 高知駅方面から、県庁前方面に右折する
  • 知寄町方面から、桟橋方面に左折する

 交通信号は、南北方向が停止信号+右折矢印が出ている状態。また、東西方向は左折信号が出ています。

はりまや橋交差点トリプルクロスの仕組み:3両の電車が同時にダイヤモンドクロッシングへ進入し、同時に曲がる
浜幸側(北西)からの様子(撮影:ダイヤモンドクロス委員会 とさでん・高知)
左(高知駅方面)からとさでん車両が進入。奥(知寄町方面)にも車両が見えます
右(県庁前方面)からも車両が進入!
ぶつかるぅぅと思いきや、右の車両が左折、左の車両も右折
2両は交差点の中でかすめるようにすれ違いました
あぁぁ! 「知寄町方面から来た奥の車両」も同時に交差点へ進入し、左折していた!
「トリプルクロス」達成!

 はりまや橋交差点は路面電車なのでクルマも当然通行します。桟橋方面側(南)から見ると、路面電車が左折した先の横断歩道に歩行者や自転車がガンガン横切っている姿も見えます。すごい、よくこれで事故が起きないな!

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桟橋方面側(南)からの様子(撮影:ダイヤモンドクロス委員会 とさでん・高知)

 トリプルクロスは「平日の朝8時12分頃」に起きる可能性があります。正常ダイヤでは発生しません。“ちょっとした運行状況の乱れ(遅延など)が発生したとき”にだけ起こることがあるのです。

「トリプルクロス」名付け親のAさんに聞く:毎日のようにはりまや橋交差点を観察し、動画撮影に成功

 とさでん交通は2018年7月2日、自社のWebサイトでこの「トリプルクロスの奇跡」を大々的に紹介。とさでん交通に聞いてみると、これは狙って実現しているものではなく、地元の方が見つけたことで初めて知ったのだそうです。

 その地元の方とは、高知市の観光ガイドボランティア団体「高知SGG善意通訳クラブ」副会長のAさん。トリプルクロスの名付け親でもあります。トリプルクロス発見までの経緯とその思いを聞きました。

とさでんのトップページに「トリプルクロス」が掲載(執筆時点)

 Aさんはとさでん利用者。トリプルクロスが発生する平日8時12分頃にはりまや橋をよく通ります。「2両がすれ違う」ことは以前から気が付いていました。そして2017年8月頃、はりまや橋交差点でよく見かける鉄道ファンから「2両だけではなく、ごくまれに“3両”すれ違うことがある」ことを聞きました。

 それからAさんは、毎日のようにはりまや橋交差点を観察するようになります。2017年9月、ついに「トリプルクロス現象」を確認。証拠となる動画撮影にも成功しました。以前から気が付いていた2両がすれ違う路面電車と同じ時刻に交差点を曲がっていったもう1両は、自身がよく乗っていた車両。まさに灯台下暗しでした。

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ついに「トリプルクロス現象」を確認

 撮影した動画を交差点に来ていた鉄道ファンに見せると、ほとんどの人が知らなかったことにも気が付きます。「もしかして、ほんの数人しか知らない奇跡の現象なのでは?」と思うようになります。そこで「ダイヤモンドクロス委員会とさでん・高知」としてYouTubeに動画を掲載。動画をきっかけに地方新聞などに取り上げられて広がっていったそうです。

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