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「これが結婚か!! すごくいいじゃないか!!」 畑健二郎が描く新婚ラブコメ『トニカクカワイイ』にニヤニヤが止まらない(1/2 ページ)

愛と幸せの新婚コメディー、開幕!

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 もしも通りすがりの女の子に一目ぼれしたらどうする? なんて告白する? で、その直後にトラックにひかれたら?(死にます)

 執事ラブコメディー『ハヤテのごとく!』を描いた畑健二郎の最新作は、ラブ・ストーリーは突然に、いや、結婚生活は突然やってくる――!? トニカクカワイイ第2巻が8月17日に発売されました。

トニカクカワイイ(1巻)
トニカクカワイイ(2巻)

愛と幸せの新婚コメディー、開幕!

 トラックにひかれた少年は由崎星空。「星空」と書いてナサと読みます。いわゆるキラキラネームなんですが、アメリカ航空宇宙局に名前負けしないための努力と研さんを積んだ結果、ハイスペック男子へと成長した、猪突猛進な男の子。

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努力の結果見事なハイスペック男子に成長した主人公、由崎星空(1巻14ページ)

 ナサが一目ぼれした相手は月読司(つくよみ つかさ)。ナサと一緒にトラックにひかれたハズなのに、受けた傷が癒えていた、謎めいた少女です。

「私と結婚してくれるなら、付き合ってあげる」

星空と謎の縁で結婚することになる司(1巻52ページ)

 トラック事故から3年後。2人は再会を果たし、ナサは半信半疑のまま婚姻届を提出します。新婚生活を描いた愛と幸せの夫婦コメディー、開幕!

ラブコメにおける「溜め→解放」の美学

 名は体を表す。「トニカクカワイイ」では、司のとにかくかわいい一面がこれでもかと描かれています。

「だんな様」呼びがカワイイ(1巻134ページ)
新しい名字をかみ締めるのがカワイイ(1巻82ページ)

 一言の殺傷力が絶大で、そのたびにナサくんがいちいちもん絶するのも分かります。

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 必殺技とは、連打していても当たりません。いつもクールな態度の司からポロッとこぼれ落ちる本心のセリフが、殺し文句に昇華しているんです。ラブコメにおける「溜め→解放」の美学、ここにあり。

もちろん「コメ」があってのラブコメ!

 「ラブ」だけじゃない。「コメ」ディ部分にも注目。夜道を歩きがてら、司の手をつないだナサの内心は……。

すごいぞ結婚!(1巻97ページ)

 これが結婚か!! すごくいいじゃないか!!

 これから死ぬまでこれを握り放題なんて!!

 すごいぞ結婚!!

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 「握り放題」って。言葉選びのセンスと独特の言い回しこそ、畑健二郎作品の面白さの本質。ラブ部分と相まって、「トニカクカワイイ」を読む時はいつも口元が緩んでしまってニヤニヤが止まりません。

 『ハヤテのごとく!』のころからの伝統、主語を抜くことで誤解が転がっていくパターンも健在。この勘違いも収集つかなくなりそうだなあ……。

「ゴリゴリの勘違いは深まった」のページ(2巻48ページ)

 2巻からは、ナサと司の周辺の人間関係も描かれていきます。ナサが経営を立て直した銭湯の有栖川姉妹や、司を「姉様」と慕う千歳も登場。新婚生活をにぎやかに彩っていきます。

1コマたりとも気が抜けないネタの濃さ

 オタクネタ、ネットネタ、サブカルネタも山ほど仕込んであって1ページ、いや1コマたりとも気が抜けません。「美味しんぼ」や「るろうに剣心」など、あらゆる方向からネタをぶち込んできます。

(1巻172ページ 岡星さん)
(2巻35ページ バスターチェイン)
(2巻105ページ 悪即斬+いやいや武器ちがくない!?)

 司の映画マニアっぷりにも注目。『こち亀』ばりの濃いうんちくトークも実に良い。

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(※2巻129ページ アベンジャーズネタ)

 とまあ、いろんな角度から楽しめる『トニカクカワイイ』。トラックにはねられても超回復していた、司の正体がもっぱら気になるところ。

 2巻では司の秘密がチラ見せされましたが、あの「月の石」はなんなのか、ますます謎は深まります。随所に挿入されるモノローグから察するに、司=かぐや姫なんでしょうか。

 ナサと司の新婚生活は始まったばかり。ラブでニヤニヤ、コメディーでゲラゲラ、幸せな気分になれるマンガになっています。

(C)畑健二郎/小学館

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