15年描き続け、完成目標は2028年 架空の国を地図に描く「想像地図」プロジェクトの濃度がすごい(2/2 ページ)
架空の地図を描き続けてきた人に話を聞きました。
想像地図の楽しさ
想像地図を作る上で大変なところ、楽しいところをSirnokaさんに聞きました。「地図は全てを描かないといけません。描いて楽しい部分だけではなく、つまらない部分もあります。楽しい部分とつまらない部分は隣接し、時にモザイクのように入り組んでいます。楽しいであろう部分がもうすぐ先にあるのに、その手前にあるつまらない部分を描かないと先に進めない、という状況になることは多くあります。ただ、何よりも楽しいと感じるのは、『描いているそのとき』ではなく、『ここを描いた!』という達成感を得たときです」
2003年に小学生だったSirnokaさんも今は働く身ですが、地図の作成は毎日、平日の出勤前30分と帰宅後の1~2時間ほどを確保して続けています。休日は1日中描いていることも。1日に平均で8~16枚ほど描いているとのことです。
大変そうな地図作りの作業をこれだけ長い間続けてこられた理由は? その問いにSirnokaさんはこう答えています。
「『人生の目的』を想像地図に見出し、『自分は何のために生きるのか』という問いに対して『想像地図を描くこと』という答えを出せるようになったからだと思います。辛い経験があっても、想像地図があったから乗り越えられました」
2028年に地図が完成したら何をするのか聞いてみたところ、「何かしらのパーティーは行うかもしれないですが、現時点では未定です」とのこと。地図完成後は、想像地図世界を舞台とする小説を書いたり、鉄道のダイヤを作ったりするなど、地図を土台にして新たな創作を行う予定だとSirnokaさん。
想像地図のサイトには「やりたいことリスト」があり、「歴史の設定」「架空世界版のWikipedia」「バス路線の設定」「架空鉄道の運賃計算・切符発行システムの製作」と想像の世界を作り上げる作業がたくさん並べられています。どんな世界が完成するのか――まずは2028年の地図完成を楽しみに待ちましょう。
画像提供:Sirnokaさん(想像地図研究所)
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