「静浜市」って知ってる? お父さんが昔作った架空の「都市計画」の資料に「すごすぎてびっくり」「感動した」の声
製作したお父さんに都市計画について伺いました!(資料提供有り)
Twitterに投稿された、お父さんが昔作っていた架空の「都市計画」の資料がすごいと話題になっています。
その「架空都市計画」は、投稿した仲村しんご(@YorozuyGintamam)さんのお父さんが「小学生から大学生になるまで描き続けてきた」手書きの資料。結婚後に初めて見せてもらったお母さんがそれに感動し、職場の人に見せたものの「一周回って闇を感じる」と言われてしまったそうで、それを聞いたしんごさんが「なんかショック受けてたから見るに見かねてですね…」と、資料を写真にとってネット上で公開することに。
すると、複数の用紙を繋げて作られた想像以上に大きな「地図」の他、23の市と48の町に7の村とその人口がすべて記載されたもの、学校名(公立・私立)が羅列されたものなど、お父さんが1人で想像で作ったとは思えない情報量の多い資料に「すごい!」「素晴らしい」と称賛の声が寄せられ話題に。
中には「街のモデルとかってあるんですか?」など、内容に興味を寄せる声も少なくなく、しんごさんの「どうにかしてこの地味な才能を広めたいと(母が)色々番組に投稿してるらしいが空振りみたいなので」というツイートに反応して「マツコの番組に」「タモリ倶楽部に」「探偵ナイトスクープなら」といった声もあります。
地図にはよく見ると町の名前や駅名などが丁寧かつ細かく描き込まれていて、目立つものでは「静浜城」などの場所が確認できます。追加で投稿された資料では「静浜市営地下鉄」といった架空の路線や、万国博覧会「SHIZUHAMA博'89」の全体マップなんかも。
それら資料にはさり気なく市町村合併に関する情報が日付とともに記してあったりと見どころが多く、これら資料の一部からも、お父さんの頭の中にある架空の都市計画はかなり壮大で、また長い時間練って考えられた作品なのが分かります。アツい情熱と才能を感じる……!
編集部でしんごさんのお父さんにお話を伺うと、現在47歳(1970年生まれ)で職業は黄色い看板のファミレスの店長と、「都市計画」とはまったく畑違いな仕事をしているとのこと。大学は美大や建築系ではなく普通の大学で、そこで流通系の勉強をしており、またマーケティング関係にすごく興味があったことから、現在の(当時はスーパーがメインの)某コンビニグループに就職したそうです。
資料の中でも一番時間がかかっていそうな地図については、中学・高校時代を過ごした静岡市や小学校時代を過ごした浜松市がモデルとなっているそうで、作っていた当時千葉市が政令指定都市になったころだったので設定も政令指定都市に。また父親が横浜に単身赴任していたときに「横浜そごう」が当時“東洋一の広い百貨店”という触れ込みでオープンしたといった理由から駅前に「そごう」を作ったりと、色々な情報を足して製作していった記憶があるとのこと。
なお地図上に書かれた企業は実際に存在していたリアルな会社で、またバブル寸前のため今はない都市銀行も当時のまま掲載。「30年前の物なのと、その当時の知識の範囲で作っているので、もし、今だったらかなり違った物になったんだろうなと思います」と、作っていた当時を振り返りつつ話してくれました。
今回娘さん(しんごさん)が公開したことで話題になった地図・資料ですが、これらはしばらく実家の静岡に眠っていたもので、お父さん自身の生活の中でも忘れられていたそうです。4〜5年前に発掘して、子どもたちに見せたところ驚かれたと話すお父さんですが、「人に見せるとかという概念は全くなかったので、こういう今のSNSの時代に拡散、反響は正直おどろいております」と、ネット上での反応には作った本人が一番驚いているようでした。
12月3日時点で「架空都市計画」の資料を投稿したツイートは5万を超えるリツイートと9万以上のいいねが集まる人気で、個人的に趣味で作っていたものが30年の時を経てさまざまな人を楽しませるという、珍しくも温かい事態となっています。
画像提供:@YorozuyGintamamさん
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学校では評価してもらえなかったという資料には、圧倒的なまでの愛と情熱が詰まっていた。