「数億円規模の持ち逃げ」「スルガ銀行保証の安心感で契約」 第二の“かぼちゃの馬車”、「ガヤルド事件」被害者が語る衝撃契約の実態:スルガ銀行不正融資事件シリーズ(前編)(2/3 ページ)
前編ではミニアパートのオーナーになるはずだった被害者3人を取材。
――どんな物件を契約されたのでしょうか。
Bさん:約1億1120万円で杉並区内の土地にミニアパートを新築するという契約です。不動産投資は以前からやっていて、ワンルームをいくつか所有しているのですが、その際に知り合った販売会社の担当者から、2年ほど前に「今、X社で働いているんですよ」という連絡が来て。そこから「ワンルームじゃなくて一棟貸しをやりませんか」と誘われました。
――そこから契約に至ったのはどういった経緯だったのでしょうか。
Bさん:何度かやりとりをした後にX社の担当者から、「スマートデイズのシェアハウスでいい物件があった」と連絡がきたのですがそちらは破談となり、ミニアパートのサブリースをやっているというガヤルドの物件を契約することになりました。
――Bさんの契約書を拝見したところ、1000万円を借り入れているフリーローンの名目が「ペット支払済資金」になっていました。実際には不動産投資名目で借り入れされたのではないでしょうか。
Bさん:今指摘されるまで気付きませんでしたが、確かに「ペット支払済資金」になっていますね。「ペット」と言われてもどういう意味なんでしょう……不動産投資のための借り入れのはずですが……。スルガ銀行のサブリース不正融資問題では、通常のローンの他に1000万円のフリーローンが付けられているケースが相当数確認されています。私もその一人ですが、ローンの名目、申込みの日付などは行員が記載して持ってくるケースがほとんどで、私も川崎支店のOさんに言われるがままにサインしてしまったので、名目などはしっかり見ていませんでした。
――ガヤルドとの契約についてはどうなりましたか。
Bさん:当初はガヤルドに対して契約時に建物の代金から3割、完成時に7割を支払うという契約だったのですが、上棟のタイミングになって「やっぱり3割・7割ではなく、3割・3割・4割に変えてくれ」と言われ、スルガ銀行川崎支店のSさん立ち会いのもと契約内容を変更しました。その後、3割はすぐに支払い、上棟金の3割も支払われたので、残りは完成時の4割でしたが、結局建築がストップしていることが分かり、現在も建物は未完成のままです。あとは他の被害者と同様、7月にガヤルドからのサブリースがストップして資金ショートに陥りました。
――サブリースの停止について、スルガ銀行にはどのように説明を行いましたか。
Bさん:X社の担当者からスルガ銀行の審査部門のYさんという方の個人携帯の番号を聞いて、そこに電話しました。基本的には「自分の月給よりも高い返済はできない」というお話がメインで、サブリースが止まってしまったと説明しました。しかし担当者からは「個別の対応は行わない。取りあえず元本の支払いはなしで良いから、金利の月40万円を支払うように」と言われました。しかし現在は返済が滞っている状況です。
――今、どのようなお気持ちでしょうか。
Bさん:本当にもう……どうしてくれるんだという気持ちです。弁護士にも介入してもらっていますが、今後が不安です。
紹介料は100万円 紹介制度が悲劇を連鎖……
次にお話を聞いたのは証券会社で働く外国人のCさん。同僚から不動産投資を勧められ、被害に遭ったと話します。
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