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ちゅどぉぉぉん「MCVさすが」「10TKもいいねぇ」 マニアックガイド:「富士総火演」のたしなみ方(1/4 ページ)

注目はMCVにAAV7だけれど、やっぱり10TKもいいねえ【写真94枚】

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 陸上自衛隊の富士総合火力演習(以下、総火演)が、8月26日に静岡県御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場で行われました。


10式戦車

 総火演は「演習」とありますが、陸上自衛隊が所有する装備や活動を広く知ってもらうために一般人が見学できる年次広報イベントです。広大な演習場で約2時間に渡って、前半は主要装備や実弾射撃の様子、後半は想定した作戦に基づく部隊展開や模擬戦闘の様子を披露しました。

 この記事では、今回の平成30年度総火演に登場した陸上自衛隊の主要装備・車両をマニアック目線で嗜んできた「おいしく、濃い楽しみ方」をたくさんの写真とともに紹介していきます。

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10式戦車(10TK)

 まずは陸上自衛隊装備車両で最新の戦車「10式戦車(10TK)」です。「ガールズ&パンツァー」(関連記事)で大洗女子学園戦車道教官の蝶野亜美さんが乗車して登場していたあの車両です。


10式戦車

 主砲は44口径120ミリ滑くう砲に12.7ミリ重機関銃(砲塔の上に見える機関銃です)、7.62ミリ機関銃(砲塔内部に搭載)を備え、乗員3人で運用します。重さ約44トンの車体を最高速度約70キロでかっ飛ばせます。44トンですが、これでも軽量化を重視した戦車です。前世代の90式戦車より6トンも軽くなっています。

 さて、現代の戦闘では司令部や各車両兵器をネットワークで結んで指揮する「C4I」(Command Control Communication Computer Intelligence:以前はC3Iと呼んでいたが、ここにComputerが加わって、C4Iになった)が必須となっています。10式戦車はC4Iに対応すべく開発されたといっても過言ではありません。

 搭載兵器の操作や小隊の状況把握と指揮伝達には、タッチパネル対応液晶ディスプレイを組み込んだデバイスを用いて行います。さらにネットワークで接続した10式戦車同士ならば、小隊長が他の車両の射撃指揮装置をネットワーク越しに操作して、遠隔操作で主砲の標準まで可能となっています。


10式戦車

10式戦車(撮影:渡邊まりか)

10式戦車(撮影:浜崎恭秋)

90式戦車(90TK)

 10式戦車の前世代型が「90式戦車(90TK)」。配備台数としては依然として最も多い、陸上自衛隊の実質的な主力戦車といえます。

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90式戦車

 威力の高い砲弾を使用できるように砲身内旋条(ライフルという)を廃止した滑くう砲の採用、自動装填(そうてん)装置を導入したことによる乗員の削減(それまでの4人から3人)、そして射撃指揮装置にコンピュータを取り入れて命中率を上げるなど新技術を取り入れた戦車として登場し、今なお活躍しています。

 しかし90式戦車には、現代の戦闘で必須となるC4Iに対応するためのネットワーク設備を増設する余地が残念ながらありません。最新式の10式戦車が開発されることになった理由はこれです。

 ただし、一部の90式戦車にはネットワーク機材を増設して、戦術指揮レベルのC4Iに対応できるようにしています。なお、2017年の平成29年度総火演までは90式戦車の前世代モデルになる「74式戦車」も参加していましたが、今回は姿を見せませんでした。


90式戦車(撮影:渡邊まりか)

90式戦車(撮影:渡邊まりか)

90式戦車(撮影:渡邊まりか)

思いっきりバックしてー

キュッと急ブレーキっ

乗っている隊員さん「楽しんでいただけたかなー」

水陸両用車(AAV7)

 水陸両用車「AAV7」は水上を航行できる履帯を備えた装甲兵員輸送車です。


水陸両用車 AAV7(撮影:浜崎恭秋)

 具体的には、海上から陸上戦力を展開するときに沖の揚陸艦から海岸線まで兵員21人(2個分隊相当)を載せて上陸でき、搭載火器(主に重機関銃)による援護射撃とともに載せてきた部隊を支援します。陸上自衛隊が導入したAAV7は米海兵隊向けに開発製造モデルの派生型で、水上を航行する「船舶」として必要になる取り外し式の航海灯と汽笛を独自に用意しています。ただし法律的には陸上自衛隊用の特別な船として、船舶関連法令の対象外という扱いになっています。

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水陸両用車(撮影:浜崎恭秋)

後部ハッチが開いて

上陸した一個分隊が展開

砲塔両脇の発射筒から発煙弾を投射して分隊の前進を援護する

87式自走高射機関砲(87AW)

 「87式自走高射機関砲(87AW)」は、2基の90口径35ミリ機関砲と、砲塔上に載せた索敵レーダー&追尾レーダーで低空を行動する敵ヘリコプターなどを目標とした対空戦闘を担います。


87式自走高射機関砲

 また、曳光徹甲弾を用いた水平射撃による戦闘車両と歩兵部隊を目標とした対地戦闘も可能です。陸上自衛隊車両では珍しい連装砲塔と、その砲塔トップに2基のレーダーを搭載した武骨な姿から被写体として人気が高い車両ですが、費用対効果としての評価は厳しいようです。配備車両は少なく、配備部隊もごく一部に限られています。


87式自走高射機関砲

89式装甲戦闘車(89FV)

 「89式装甲戦闘車(89FV)」は、砲塔と履帯を備えた戦車のような姿をしていますが、歩兵部隊である普通科連隊に所属します。


89式装甲戦闘車

 戦車の天敵は戦車と思いがちですが、実は戦車以上に厄介なのが「巧みに隠れた歩兵」です。その歩兵に対応するために味方の歩兵による援護が不可欠です。装甲戦闘車は歩兵部隊を乗せて戦車部隊に追従しつつ、戦場で乗せてきた歩兵部隊を展開しすることで味方の戦車を守ります。

 89式装甲戦闘車には、乗員3人の他に歩兵7人を乗せられます。また、歩兵を支援する搭載火器として、90口径35ミリ機関砲のほかに、79式対舟艇対戦車誘導弾を砲塔の左右に1基ずつ搭載しています。

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89式装甲戦闘車(撮影:浜崎恭秋)

89式装甲戦闘車(撮影:浜崎恭秋)
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