“5円チョコ”こと「ごえんがあるよ」は、なぜ30年以上も売り続けられるのか? 会長が明かす「儲からないんだけど……」(2/4 ページ)
なくなったらさみしい。
ネーミングやキャラは「まんまだよね」
――5円チョコ誕生の話に戻るのですが、なぜお金形のチョコだったんでしょうか?
それも先代が考えたんだけど、ストレートに形で「5円」という価格を分かりやすく伝えるためらしい。「ごえんがあるよ」というネーミングも先代。まんまだよね。
――袋に書かれているキャラクターも印象的です。このキャラのイラストを描いた方はどなたですか?
これは当時から付き合いのある大手印刷会社に包材を作ってもらっていて、たぶんそこのデザイン部門の方が考えたと思う。匿名の方が。
――昔、袋の内側に書かれていた「面白占い」が好きでした。
買った人が楽しんでくれるかなって。印刷会社が「裏印刷ができるよ」って言うんで、じゃあ何かやろうかっていう。
消えていった新商品たち 「売れなかったんだよ」
――おなじみのミルクチョコ味に加えて、一時はストロベリー味を出されていましたよね?
バリエーションを増やしたくて。ホワイトチョコもあったよ。それとミルクチョコ味を両方セットにして二段重ねにして、10円で売ろうっていって設備投資もした。10円でミルクチョコとストロベリー両方食えるんだぜ、すごいだろう? ……でも、売れなかったんだよ。
――(笑)。今聞いても食べてみたいですけどね……!
ストロベリーとホワイトはとっくの昔になくなっちゃったよ。いまはまたミルクチョコ味だけ。
――ビスケットがついたものもあったとお聞きしましたが……
「ごえんチョコプラスビス」ね。1個10円で食べたらウマいんだけど、売れなかったな。
夏恒例の七夕バージョン
――夏恒例の七夕限定商品は、今でもありますよね。
そう、「ごえんがあるよ」という名前を七夕の「縁結び」にかけて。
――あと、「おみくじごえん」っていうのがすごく面白いと思って。大凶が出たらお守りがもらえる。
あった。ちなみに受験生の子が「おみくじごえん」をやったときに「凶」を引いて、「凶なんて入れたらイカン」って抗議の手紙があったよ。でも「凶」入れなきゃおみくじにならないからね。
大凶が出るとお守りをもらえるんだけど、包装紙もお守りのデザインになってるんだよ。実際に中に5円の入った布製のお守りを景品にするキャンペーンをやったんだよ。……全然反応なかったよ。入れてくれるお店も少なくてね。これも大して売れなかったな。
――面白いのに……。そういう新商品のアイデアは、社内の企画部門の方が出されているんですか?
今はそうだけど、2~3年前までは全部自分で考えてやってたよ。最近は息子(松尾裕二氏)が社長になって「いい加減にしろ」って言われてるから、もう口出さないようにしてるけど(笑)。
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