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奇跡? 狙った? ファン歓喜「箱根駅伝ロマンスカー」の真相2019年新春乗り鉄話題8選(3/3 ページ)

「おぉぉ! 小田急さんやるな!」といい話で始まった2019年の乗り鉄話題。今年はどこへ行こうかな。今回は「2019年注目の乗り鉄トピック8選」を紹介。【訂正】

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【5】大井川鐵道井川線が全線復旧 3月9日

 大井川鐵道といえばSL列車です。SL列車の終点、千頭駅から先、井川駅までトロッコ風の列車が走っています。これが「南アルプスあぷとライン」こと井川線です。大井川水系のダム建設のために作られ、現在は観光路線で明媚な景色を楽しめます。


大井川鐵道井川線のアプト式機関車。レール間の歯と機関車側の歯車をかみ合わせて急勾配を上る仕組み

 このうち終点の井川駅と、1つ手前の閑蔵までの1区間約5キロは、2018年5月8日に発生した土砂崩れで運休となっていました。その復旧工事がようやく終了。2019年3月9日に運行を再開します。

 井川線の見どころは、歯車式レールで急勾配を上る「アプト式機関車」を使う区間、ダム湖に浮かぶような「奥大井湖上駅」、日本一水面から高い鉄道橋といわれる「関ノ沢橋梁」です。

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 もっとも、これらの名所は既に運行中の区間にあります。しかし乗り鉄としては「終点まであと1駅なのに引き返す」だなんて、なんともむずがゆいのです。というわけで皆さん、待ちに待っていましたよね。終点まで乗れてスッキリできるようになりますよ!!

【6】レストラン列車「一万三千尺物語」「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」がデビュー

 2019年は私が大好きな観光列車部門から、新しい列車が2つ誕生します。

 1つ目の「一万三千尺物語」は富山県発。あいの風とやま鉄道のレストラン列車です。

 「富山湾鮨コース(1号)」は富山~泊間を往復します。車内で握りたてのおすし8貫とお刺身などのコースが目玉です。他方の「懐石料理コース(2号)」は富山~高岡~富山~黒部~富山を行ったり来たりします。料理は富山の海山の幸を集めた和食のコース。運行開始は4月6日です。


「1万3000尺物語」の座席レイアウト図。2号車はオープンキッチン

 2つ目の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は福岡県発。西日本鉄道のレストラン列車です。

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 何と車内にピザ釜があります。車内で焼きたてのピザや肉料理を楽しめます。福岡(天神)駅発太宰府行きのブランチコース、大牟田発福岡(天神)行きのディナーコースがあります。運行開始は3月23日。6月1日には福岡発大牟田行きのランチコースが加わります。


「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の客室レイアウト図。ゆったりした座席配置

 このほかにも、阪急電鉄が京都線の観光車両の2本目「京とれいん 雅楽」を3月から運行開始。JR東日本は日本海を眺める観光列車「きらきらうえつ」を9月に引退させて、同年10月から新たに「海里」の運行を開始します。いずれも楽しみですね。

【7】沖縄モノレールがてだこ浦西駅まで延伸 2019年夏開業予定

 沖縄にも鉄道があります。那覇空港と首里を結ぶ「ゆいレール」こと沖縄都市モノレールです。モノレールはコンクリート製の線路ですけれど、法律的には鉄道です。

 そのゆいレールが、2019年の夏に首里からてだこ浦西駅まで延伸開業します。日本の鉄道路線に全て乗るならば、沖縄にも行かなくちゃね。

 いつ行くの? 延伸開業を待ってから! さらに延伸する構想もあるようですがこちらはまだ具体的な段階ではないようです。行くべき時は来ましたね。

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【8】山陰本線(嵯峨野線)「梅小路京都西駅」開業 3月16日

 新路線の開通以外で2019年に開業する新しい駅は、JR西日本の山陰本線「梅小路京都西」駅、JR九州の筑肥線「糸島高校前」駅、三陸鉄道の「払川駅」「八木沢・宮古短大」駅、富山地方鉄道不二越線の「栄町駅(仮称)」、JR東日本常磐線の臨時駅「Jヴィレッジ駅」、錦川鉄道の「清流みはらし駅」、三陸鉄道の「新田老駅」です。

 このうち、鉄道ファンにとって特に重要な駅は「梅小路京都西」駅です。なぜならば「京都鉄道博物館」の最寄り駅だからです。


京都鉄道博物館の最寄り駅になる「梅小路京都西駅」

 京都鉄道博物館はJR西日本が梅小路蒸気機関車館を発展させる形で、大阪市内の鉄道科学博物館の展示物も取り込んでできた施設です。しかしこれまでは……鉄道関連の施設にしては鉄道でアクセスしにくい場所にありました。京都駅から徒歩約20分、丹波口駅(山陰本線)から徒歩約15分、西大路駅(東海道本線)から徒歩15分。京都駅からバスに乗るとしても乗車時間10分+徒歩3分かかりました。

 ということで、期待の梅小路京都西駅は京都駅と丹波口駅の間にできます。まさに京都鉄道博物館のすぐそば。京都水族館にも徒歩7分ほどです。鉄道ファンだけでなく、アクアリウムファンなどにも待望の駅になるでしょう。


 以上、乗り鉄として列車と路線に注目してみました。新型車両の登場や引退間近の車両など、話題は尽きません。2019年も楽しい年になりそうです。どこへ行こうかな~、何に乗ろうかな~♪

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杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。

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