めっさかわいい! 3Dプリンタで作った「ケムリクサ」の「シロ」が歩いてモニターも動く完全再現ぶり
そしてコア部分の前世は……。
t2さん(@t2_kmfr)がTwitterで公開した、3Dプリンタで作った「ケムリクサ」の「シロ」の再現度がめっさすごいと作品ファンたちの注目を集めています。これにはわかばくんもにっこり。
シロは、2019年冬アニメの「ケムリクサ」に出てきたキャラクター。4足歩行で動くロボットのようなもので、主人公たち一行の旅をサポートしました。
今回t2さんが作ったシロも、しっぽ(?)を揺らしながら4本の足で歩行可能。さらに上部についた画面が動き、原作通り文字での会話も再現されています。やろうと思えば「お手」もできるもよう。本人いわく、「シロ イヌ チガウ」とのこと。
この3Dプリンタ製シロはどのような思いで作られたのか、話を聞いてみました。なお、一部本編のネタバレになる部分があります。
―― シロを作ってみようと思った理由を教えてください。
t2:一番の理由はやっぱり「かわいいから」ですね。特にあの短い「ピ」が好きなんです。歩いているときも「ピッピッ」と言ってて最高です。
それにあんなに単純な形をしているのになぜこうもかわいいのか、いまだに謎です(笑)。形状が単純だという事は作りやすいという事で、作ってみようというきっかけにもなりました。
―― 制作にかかった時間を教えてください。
t2:CADデータの作成日時から調べると設計を開始したのが2月8日で、外観デザインをツイートしたのが2月11日でした。
データを元に3Dプリンタで実物を作り始めたのが3月4日、完成(仮)をツイートしたのが3月26日です。5話を見終わった後に「これはメインキャラになるな」と思い設計を始め、外観デザインに4日使い、その後22日くらいかけて内部構造の設計を行いました。それから設計を手直ししつつ22日かけて実物を作ったことになります。最後のモーション作成は時間がなかったので1時間程度でやっつけて、ギリギリ最終話に間に合わせました。
―― 作る上で特に難しかった点やこだわった点を教えてください。
t2:一番難しかったのがモニターを回転させる機構でしたね。というのも、ここが回転するということは2月27日の8話まで明らかにされていなかったのです。8話放送の時点で内部機構設計は8割位終わっていましが、そこでモニターが回転することが発覚して「全俺が泣いた」状態でした(笑)。回転させるかどうか「サーボもう入らねぇよ……」という状況でかなり悩みましたが、超小型サーボモータを使ったり配置を無理やり変えてなんとか入れました。この時は徹夜気味になったりして若干「本体の葉」を使った状態でしたね。
他には、足のフレームを細くして周りを黒い布で覆って太く見せる事で、本体外装に大きな穴を開けずともむちゃなポーズを多少再現できるようにしています。しっぽも関節部分を黒い布で覆って、謎の黒い関節をちょっと再現しています。
完成(仮)ツイートにもこだわりました。尼崎は物語の中でシロと初めて出会った地で職場にも近かったので、シロに出会った風の写真を撮ってきました。会社の業務終了 → モーション作成 → 尼崎で撮影 → 終電まで3時間しかありませんでしたがギリギリセーフでしたね。
あとは全身の関節自由度の再現、足の格納(登場シーンを微妙に再現)、原作になるべく忠実な本体デザイン、目の光り方、目を外すとボスのコアになる、等ですね。
仕事で何か作る時よりも各部にこだわっている気がするのは「好き」パワーですかね!? 自由にモノを作れるというのは本当に楽しいです。
―― しょういっちゃんさん(@shoichi4411)らとコラボカフェに行かれているツイートなどもお見かけしました。こうした交流の中で生まれたアイデアやエピソードなどがありましたら教えてください。
t2:一番びっくりしたことは、しょういっちゃんさんと私の住む街が隣だった事です。動くシロビルダーの生息地はとても狭かったようです(笑)。
真面目な話をすると、しょういっちゃんさんのスマホを使ったインタフェースはすごいですね。また、シロモニターでのロック解除などの動作も再現されていてびっくりです。私はWeb系のプログラミングは苦手なので見習いたいです。せっかくカメラを搭載したので、頑張って[カンリ イロ ケンシュツ]したいですね。あと、しょういっちゃんさんは子どものためにダンボールでいろいろなモノを作られていて、その完成度にも驚きました。ぜひTwitterでチェックしてみてください。
―― アニメ「ケムリクサ」を見終えての感想を教えてください。
t2:まず、シロがちゃんと最後まで生き残ってくれて私もタスカりました。途中で散ってしまったりしないかとヒヤヒヤしながら見ていましたが、最後にヌシに変身して大活躍していたようでうれしいですね。ただ某所で「ヌシに変身できるようにしないんですか?」と煽られていて、自分の中の「ヌシ作りたいレベル」が上がってきています。
また、たつき監督の作品はけものフレンズの時から見ていたので、ケムリクサがヒットしてとてもうれしかったですね。同人版ケムリクサを最初に見た時はけものフレンズ放送後で、「何でこんなに面白いのに再生数が少ないんだろう?」と不思議に感じたことを覚えています。
その後、けものフレンズのスナネコというキャラのMMDモデルを改変で作ったり、その動画を4つ作ったりしてけものフレンズにどっぷりとハマっていました。少しツイートもしましたがボスを手縫いで作ったりもしました。本当はこの中にメカを仕込むつもりでしたが、モタモタしている間に「9月25日」を迎えてしまいました……。
その後いろいろありましたが、私は「嫌い」ではなくケムリクサのテーマでもある「好き」で語って行きたいと思っています。
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ありがとう……ありがとう……。「ケムリクサ」ロスに陥っている全てのヒトは今すぐ2010年の同人版「ケムリクサ」を見て側頭“葉”に刻み込むべきである
そのままの部分もあれば、設定が変更されている部分も。今なら当時とまた違った見方ができそうです。
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