レビュー

1話に決定的ヒントがあった! 「あなたの番です」402号室早苗の隠し部屋にいるのは誰か? 新黒島メモから犯人を推理(2/2 ページ)

木村多江一家がやっぱり怪しい。

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とすると犯人は……

 もっと想像を膨らませてみよう。

 最初の管理人殺しは、早苗の子供が犯人なのではないか。

 第1話で、菜奈と翔太の部屋に管理人がズカズカと部屋に入ってくる。菜奈は不快な思いをする。それと同じように、早苗の部屋にも管理人がズカズカと押し入り、隠し部屋を開けたとしたならば。

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 思い出してほしい。管理人の床島比呂志(竹中直人:管理人)は菜奈の部屋302号室で「天井に気色の悪いシミ2つと」と言った。これが嫌がらせではなく、事実だとしたら。そして管理人の仕事として、その原因を突き止めようと考えていたとしたなら、上の部屋402号、つまり榎本早苗の部屋に訪れるだろう。

 榎本の402号に訪れた管理人。暴かれる隠し部屋。急に不快な状況に立たされる隠されていた早苗たちの子供。それが原因で、子供が管理人を殺したのだとしたら。

 早苗と正志は、子供を守るために殺人を隠そうとする。そのために交換殺人がスタートしたと演出したのだ。「管理人さん」のメモを掲示板に貼ったのは、早苗だ

 交換殺人ゲームがスタートしたことを明確にするために、早苗はドクター山際を殺す(とすると、早苗が引いた紙は「ドクター山際」だ)。そして、藤井淳史(片桐仁:403号室)を脅して、状況を混乱させる。

 脅迫された藤井は、タナカマサオを殺す。「あなたの番です」と包丁に書いてシンイー(金澤美穂:203号室)を脅す。第8話で、「包丁のことは謝る」と藤井がシンイーに言ったのはこのことだろう。

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 シンイーたちは不法滞在をバラされるのを恐れているので、殺人を犯してしまう。3人組の黒覆面で袴田吉彦を殺したのはシンイーたちだ。

 シンイーが引いたのは赤池美里(峯村リエ:502号室)ではない。袴田吉彦だ。第4話を思い出してほしい。

 店長が死んだ後、シンイーが「君が引いた紙になんて書いてあったの」と聞かれる。恋人が引いた紙を見て、「あいつか」と言う。もうひとりが「知り合い?」と尋ねると、「ほら、ちょっと前に」と説明はじめるが、外の車の音で、何を言っているか聞こえなくなる。

 というシーンがあった。この「ほら、ちょっと前に」は、どういうことか。「ちょっと前に、アパ不倫で騒動があったあの人」という意味のセリフが続くのではないか。

床島比呂志(60)【竹中直人】管理人、藤井淳史(43)【片桐仁】403号室
シンイー(22)【金澤美穂】203号室、赤池美里(50)【峯村リエ】502号室

早苗の信念の意味は?

 「ひとつ嫌なことを言われたら、ふたつ幸せを誰かにあげる」という早苗の信念も、このことを踏まえると、違う景色が見えてくるだろう。隠され親に暴言を吐く引きこもりの子供から何か嫌なことを言われるたびに、それをごまかすようにして、他人に幸せをあげようとする。いや、幸せならいいが、殺した人の口角をあげて笑顔にしているのは、その歪んだ発露なのではないか。

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 以上をベースに黒島メモを書き直してみよう。


黒島メモをさらに踏み込んで推理

早苗の隠し部屋にいるモノ、もうひとつの可能性

 と妄想に近い勢いで推理してみたが、どうだろうか。

 このドラマの恐ろしいところは、ここまで怪しさ爆発の伏線をはって見る者の妄想を膨らませておきながら、その想像の斜め上の展開をみせるところだ。早苗の隠し部屋には、隠れて飼っている犬がいるだけというオチも考えうる(ペットの犬を家族のように思っている家は多い)。

 怪しいようにみせかけた人物が、全然事件とは関係なく、個人的な事情で怪しく見えていただけというのが、「あなたの番です」の黄金パターンなのだから。

米光一成

ゲーム作家、デジタルハリウッド大学教授。代表作「ぷよぷよ」「はぁって言うゲーム」「はっきよいゲーム」等Twitter

たけだあや

イラスト、粘土。京都府出身。

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