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なぜ制汗剤は冷たく感じるのか?

ひんやり気持ち良い、夏には手放せないアイテム。

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 梅雨が明ければ夏がやってきます。これから多用するであろう「制汗剤」は、一般的には汗の臭いなどを予防するために使うものですが、涼しさを感じたいときにも使ったりしますよね。

 ところで、なぜ制汗剤は冷たく感じるのでしょうか?

冷たく感じる成分「メントール」

 制汗剤を使ったとき、冷たく感じるのに一番大きな役割を果たしているのが「メントール」です。これはよく聞く「メンソール」と同じもの(メントールはドイツ語読み、メンソールは英語読み)。

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 メントールはハッカに含まれる成分の一つで、皮膚に触れると冷感を人に与えてくれます。制汗剤にはこれが含まれているのです。

冷えていると脳が勘違いしているだけ

 詳しく説明すると、メントールに触れると人の皮膚に存在する冷たさを感じる部分(「温度感受性TRPチャネル」という)が刺激され、脳に信号が届けられ、私たちは冷たい、涼しいと感じます。その結果、汗が抑えられるのです。

 言い換えると、実際に体温が低下しているわけではなく、脳が勘違いしているということです。

 また、同じ仕組みで脳に熱い、温かいと勘違いを起こさせるものに、「カプサイシン」があります。唐辛子などに含まれている成分ですね。漢方薬では、体を温かく感じさせるためにこのカプサイシンが使われることがあります。悪寒がするときに飲む漢方などにも含まれています。

汗をかけるならかこう

 とはいえ、実際に体温を下げたいのであれば、汗をかいた方が断然良いです。汗や水の方が、制汗剤よりも実際に吸収してくれる熱の量が圧倒的に多いためです。

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 物質が液体から気体に変化するとき、外部から熱を吸収します(「気化熱」という)。汗や水はその気化熱の値が大きいので、メントールなどよりも大きく熱を吸収してくれます。

 また、夏場に制汗剤を使ったから熱中症にはならないと考えてはいけません。特に、つい全身に制汗剤を使ってしまっている人は要注意です。これでは全身の汗が抑えられて体温が下がりません。

 制汗剤は本当に汗を抑えたいところだけにして、汗をかける場合はしっかりかくようにするのが良いでしょう。

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