インタビュー

“学校のムダな仕事”がなくならないのにはワケがある 現役教師が語る「ブラック職場としての学校」(1/3 ページ)

「常に数十人の生徒とその親たちが納得するやり方を目指さないとならない」。

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 子どもの成長を支える場でありながら、ブラック労働環境が問題視されている学校現場。ニュースなどでも盛んに取り上げられているテーマではありますが、実際に働いている教員は、どのような思いを抱いているのでしょうか。

 本記事は、公立校の中学教員であるAさん(仮名)に「1人の一般教員として感じている“学校の労働環境の問題点”」を語ってもらう連載企画となります。

教員の“ムダとしか思えない仕事”

―― 「教員が不足しているから長時間労働になってしまう」という話があったけど、ムダな仕事はないの?

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 「やらなくていいんじゃねえの、これ?」って仕事は多いよ。

 例えば、教育委員会が教員を集めて「最新の指導法研究会」みたいな会合を行うことがあって。各教員が授業でやってることをプリントにまとめて、それを他の人に配ったり、グループに分かれて発表したりする。

―― 「現場の人同士で情報共有」みたいなことか。授業の仕方って、教員ごとに差が出るものなの?

 いや、大して変わらないよ(苦笑)。

 だから、他の教員からもらったプリントはすぐに捨てちゃう。だって参考にならないんだもん。他の教員だって寝てたりなんだりで、気もそぞろ。学びにつながるようなものではないよ。

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 この手の集まりで「行ってよかった」と思うのは100回に2~3回くらいかなあ。本を1冊読んで勉強した方がよっぽど有意義だと思う。

―― 「ムダだから行かない」ということはできないの?

 出ないと「なぜ来ないんですか?」と電話が来て、管理職の教員が怒られるから。仕方がない。

 俺みたいな現場の教員には、ムダとしか思えない取り組みなんだけど、世の中というのは不思議なものでさ。対外的には「こういった取り組みを通じて、私たちの街は授業力向上に努めています」的な良い話になっちゃうんだよね。

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