連載

「感動ポルノ」だけじゃなく、「炎上ポルノ」もあるよね―― ねとらぼ編集部員に聞く「お前の原体験はなんだ」 ~たろちん編~ねとらぼの中の人インタビュー(2/4 ページ)

編集部の中の人にいろんなことを聞く連載。第1回はゲーム実況のパイオニアである「たろちん」さん。

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たろちん:嫌いっていうか……まぁ好きじゃないよね(笑)。いや、もちろんみんながより良く使えるようになった結果でもあるし、昔に戻せとも思わないけど! ただ、当時の僕を救ってくれたインターネットはどっか行っちゃったという感じもする。今のインターネットでこういうこと言うと「老害が何言ってんだよ」って言われちゃうけど、「完全に俺はインターネット老害だな」って自覚はあるんですよ。

今のネットは好きじゃないのかぁ

――中学生の頃のたろちんさんのように、鬱屈した思春期を迎えている子たちは今どうしてるんでしょうね。

たろちん:でも、例えば昔はアニメ好きとかネット好きってだけですげえ嫌われてたけど、オタクという人種への迫害はだいぶ減ったじゃない。昔はすげえ嫌われてたよ。中学生のころなんて「Yahoo!で検索すれば分かるよ」みたいなこと言っただけで「キモッ」「こわっ」って言われたり。「Welcome to Underground」みたいな扱いされてさ(笑)。

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※Welcome to Underground:2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)で流行したコピペのこと。痛いネットオタクをからかうような内容。

――今はそういうタイプの人はインターネットに逃げる必要がなくなったのかもしれませんね。

たろちん:そうかもしれない。居住権を与えられたっていうか、ネットで顔出したり本名出すのも抵抗なくやってるし、逆に今は自分に似た仲間を見つけやすくなったかもしれないですね。

――昔と今とのネットの違いは感じますか。

たろちん:良くはなってるでしょうねえ。昔のネットって優しくはなかったんですよ。昔は「半年ROMれ」みたいに分かってるやつしか参加できない閉鎖的な空気があって、それが黎明期だけの面白さになっていた部分があるけど、今は誰にでも開かれてて使いやすい。ただ、開かれてるが故に「嘘を嘘と見抜けない人」も増えて……「こんなのに騙されちゃうの?」というデマが拡散されちゃったりもするようになりましたよね。「いかがでしたかブログ」みたいな内容の薄いページが検索上位にきちゃうような仕組みの問題もあるけど。

――「ラッスンゴレライは反日」みたいな話も、昔だったらネタで終わってたかもしれませんね。

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たろちん:(笑)。僕らもそういう部分をよくしたいとは思いますよね。

――今はねとらぼもそれなりに存在感のあるサイトになってきている中で、「ねとらぼはもっとこうなって欲しい」みたいなのはあります?

たろちん:えっ……俺がそんなこと言うの? イチ社員なんだけど。

「俺が言って良いんですか」みたいな顔

――良いんじゃないですかね。古参だし。

たろちん:んーなんだろうね……。個人の意見だけど、PV主義に陥らないことかな。

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――(爆笑する)

たろちん:まぁ、全メディアが思ってることなんだろうけど。理想と現実のバランスって難しいですよ。いいメディアが赤字を理由になくなったりするの見ると「社会だな」って思う。

――まぁ確かに、PV主義に対する嫌悪感を持ってる人は多いですよね。……ってかこれ、記事になるんですかね……(小声)。

たろちん:わかんない。

なにわろとんねん

――(記事にできるのかという不安をかかえつつ)“読者のため”を最重要視してるわけですしPVはとても優れた基準ではあると感じますが、僕もそれ以外の価値観を考慮したくなることはあります。

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たろちん:分かります分かります。僕も「こういうストーリー好きでしょ?」みたいなのに寄せていっちゃうところはあるね。でも難しいよね、それを読みたい人もいればそれに対して一言言いたい人も当然いるわけだし、いろんなことをやろうとしてもリソースには限度があるわけだしさ。

 少し話がそれるけど、僕、炎上記事が苦手なんですよ。悪いことは直していくべきだけど、ネット民の「怒り」が過剰すぎてなんでも炎上させようという風潮がちょっと強すぎじゃないかと。最近ようやく「正義が暴走しても良くないんじゃないか」みたいなことも言われ始めてるけど……。もうちょっと優しいインターネットであってほしいというか……まぁ、僕は、明るいニュースで盛り上がれるようなインターネットになってほしいな~なんて、イチ記者として思います(作り笑い)。

――なんか急にキャラ作ってきた。

たろちん:記事にしやすいコメント残しておこうと思って……。

お気遣いありがとうございます

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