モーショングラフィックスで作った「近未来の車内案内」が機能性とサイバー感のいいとこ取り
脱・デザインの敗北。
フリーランスの映像クリエイター・ghoul(@ghoul_shana)さんがモーショングラフィックスで作成した「近未来の車内案内」が注目を集めています。
現状、地下鉄のドア上部に設置されている車内表示ですが、離れた位置からは確認が難しく、欲しい情報が常に表示されているわけでもありません。そこで作者が映像化したのは、車窓をモニターとして活用するダイナミックなアイデアでした。
文字やイラストを大きく表示でき、車内のどこにいても目に入ります。地下鉄の窓はほとんど眺めることのないデッドスペースですから、外が見えなくなったとして支障も少ないでしょう。
表示される内容にも作者のセンスが光ります。ごちゃごちゃと情報を詰め込んだり、無駄な動きで魅せたりするのではなく、乗客が本当に知りたい「次の駅名」と「乗換案内」だけを表示。オシャレさを求めるあまり機能性を損なってしまう「デザインの敗北」への配慮が伺えます。
映像を手掛けたghoul(@ghoul_shana)さんは、取材に対し「ただかっこいいだけじゃないモーショングラフィックスのあり方を考えながら作りました」と語ります。その言葉の裏には、映像クリエイター界隈のトレンドがありました。
「ここ1~2週間、映像クリエイターの間で駅名標をモーショングラフィックスで動かす遊びが流行っています。それはそれでかっこよくて最高なのですが、日常生活で考えたら普通に見づらいかもな、と思いまして」とghoulさん。
「モーショングラフィックス界隈は、若くして技術やセンスがずば抜けている人も珍しくありません。かっこいい映像からもう一歩進んで、社会的な課題と組み合わせた見せ方・動かし方まで考えられたらその能力をより活かせて良いのになあ……という思いからサンプルとして今回の映像を発信しました」(ghoulさん)
作者としては同業者に向けて投稿したツイートでしたが、想像を超えて拡散され「私は聴覚障害者なので、特にこういう視覚的情報が欲しいです」「将来は、やっぱこの方向だよね」と幅広い層から実現を望むリプライが寄せられています。なお、すでに中国や韓国では地下鉄の窓に広告が投影されており、技術的にはいつ実現してもおかしくないようです。
画像提供:ghoul(@ghoul_shana)さん
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