選手たちの移動80分→20分に短縮 東京オリンピック期間中「首都高1000円値上げ」効果的と示すシミュレーション結果を公開
対象となるのは自家用車や社用車などのマイカー。
東京オリンピック組織委員会は2019年8月26日、選手らをスムーズに輸送することを目的とする交通量調整の一環として、首都高速道路の料金値上げを行う規制案のシミュレーション結果を公開しました。
公開された資料によると、値上げ策が提案されたのは組織委員会が有識者に意見を求める場である交通輸送技術検討会。首都高速道路が混雑する時間帯で料金値上げを実施することで、交通量を減らしてオリンピック関係者の輸送がスムーズに行えると見込んでいます。
その根拠となるシミュレーション結果は、組織委員会から依頼を受けた首都高と国交省によって導き出されたもので、7月24日、26日に行われた料金所のレーン制限(11カ所)や入口の封鎖(4カ所)を行う交通量調整策も踏まえたものになっています。
シミュレーション結果をまとめた表を見ると、対策をしなかった場合は80分ほどかかると予想される人員輸送が、500円の値上げで35分に、1000円の値上げで20分に短縮できると予想されています。
料金値上げの対象となるのは自家用車や社用車など、マイカーに分類される普通車で、中型や大型などの貨物車、タクシーなどは対象外としています。また、料金の値上げだけでなく、夜間割引と併用することでバランス調整を行うことも検討されています。
実施期間についてはオリンピック・パラリンピックの開催期間中を想定していますが、オリンピック本開催に先行して始まるサッカーの試合や閉会式後の選手らの帰国ラッシュなどを想定して前後する可能性も視野にいれています。
東京オリンピック組織委員会に確認したところ、現時点ではあくまで案として上がっている段階で決定ではないことを強調しつつ、シミュレーション結果を元に交通量調整について東京都と検討を進めていくとしています。
選手や監督などの関係者を選手村から会場へ迅速に輸送するという目的があり、対策をしない場合は80分もかかってしまうことを考慮すると、これは一定の理解を示すことはできますが、慎重に検討を進めてほしいものですね。
(春山優花里)
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