連載

なんで上級者のピカチュウはギャラドスに10万ボルトを撃たないの? ポケモンガチ勢が語る「ポケモンバトル」の面白さと奥深さ芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」(2/4 ページ)

「ソード・シールド」で「レーティングバトル」デビューしたい人向け。

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ギャラドスの勝ちだけど、そんなんできるの?


ポケモンの能力値って、実はトレーナーが少しだけいじることができるんです。


……改造?

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違います。ゲーム内では「基礎ポイント」と呼ばれているもので、ネットなどでは「努力値」なんて言い方もしますが、それをポケモンごとに割り振ることで能力を少しカスタマイズできるんです。

 さきほどのケースで言うと、ピカチュウよりも先に動いて地面技を撃てるように素早さに割り振ってみたり、ピカチュウの10万ボルトを1回耐えられる調整にしておいたりするわけですね。そうやって上級者は、読み合いに負けないようにするだけでなく、負けた時の保険も張っておくことで勝率を上げているんです。


うわあ……もう情報戦だな。


そうなんです、先ほどお話しした炎タイプばっかりのパーティでは水タイプのポケモンからのダメージ計算やすばやさの調整がその対策の1つになるわけです。ダメージの計算ツールはネットで調べれば有志の方がお作りになられたものがありますんで、慣れてきたらそれを是非活用してみてください。


でも、何をどう対策すればいいのか分からないしなあ。

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それはもう戦っていくうちに微調整していくようになると思うのですが、初めは流行っているポケモン、いわゆるトップメタの対策から始めるとスムーズです。例えばウルトラサン・ウルトラムーンの環境でチートみたいな活躍をしていた「カプ・テテフ」というポケモンがいまして……。


ああ、なんかサン・ムーンで出てきたヤツだ。聞いたことあるけど、チートなの?

カプ・テテフ(画像は「ポケモンだいすきクラブ」より引用)


ポケモンにはタイプの他にそれぞれ特性というものがあります。このカプ・テテフはエスパー/フェアリータイプで、特性が「サイコメイカー」というものでして、これは5ターンの間エスパータイプの技の威力を1.5倍にしてくれる効果があります。


それってそんなに強いの?


これだけならまだ許せるんですが、もう1つこのサイコメイカーの効果として、「でんこうせっか」などの相手よりも先に動いて攻撃できる技「先制技」が撃てなくなるという効果があるんです。

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……ほう?


つまり、カプ・テテフに素早さの上がる調整や「こだわりスカーフ」という素早さを底上げするアイテムを持たせていれば、ほとんどのポケモンに先制攻撃でき、かつ1.5倍の威力で自身のタイプのエスパー技を撃てる環境にすることができるんです。


うわあ、せこ! ズル! みんな使うじゃんそんなん!


そう、みんな使いますよね? だからこそ、その対策をしておけばいいんです。


……あ、そういうことか! これ対策されすぎて身動き取れなくなって逆にみんな使いづらくなるみたいなパターンか。

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そう、もう試合前から始まっているんです。ポケモンの読み合いは。


奥深え! なんかそういうのもっと教えて!

ヤマクエ先生によるカプ・テテフ解説(画像は「ポケモンだいすきクラブ」より引用)

「へんげんじざい」が強すぎて“ゲッコウガを使ってゲッコウガ対策をする”


では、「ゲッコウガ」というポケモンがいます。このポケモンには「へんげんじざい」という特性がありまして……。

「スマブラ」でもおなじみのゲッコウガ(画像は「ポケモンだいすきクラブ」より引用)


もう強そう。


この特性は自分のタイプを撃った技のタイプにできるというものです。例えば、ゲッコウガは本来は水/悪タイプなのですが、炎技を使うとそれと同時に炎タイプになります。ポケモンの技は1匹につき4つまで覚えさせられるので、4つのタイプに変身することができる上に、ポケモンでは技と自身のタイプが一致している場合、技の威力が1.5倍になるので、実質どんな技でも1.5倍の威力で使えると。

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え、そんなことしていいの?


なんか気が引けるくらいズルいですよね(笑)。さらにこのゲッコウガは元の素早さが高い上に、覚える技の種類も豊富なので、対策が非常に難しいんです。


もうどうすれば!


ただ、どんなポケモンにも必ず弱点はあります。例えばゲッコウガは素早さも高く、火力もそこそこありますが、耐久値が低いんです。ですから、他のタイプに変身する前に、水/悪タイプに有効な技を撃つことが対策の1つになります。


でも素早さが高いって言ってたよね。


そこで少しだけ流行ったのが、自分のゲッコウガにさきほど説明した「こだわりスカーフ」を持たせて相手のゲッコウガより早く動いて倒すという対策なんです。要するに「ゲッコウガを使ってゲッコウガ対策をする」という形ですね。


うへえ、面白い! なんか滑稽!


ただこの「こだわりスカーフ」は素早さを上げる代わりに、1つの技しか使えなくなるというデメリットがあるので、本来の「へんげんじざい」の強みを多少失っているんですよね。なので、すぐにこの型のゲッコウガは見なくなりました。

ヤマクエ先生によるゲッコウガ解説(画像は「ポケモンだいすきクラブ」より引用)


なるほど、アイテムも読み合いの1つに入ってるのか。


そうですね、最初6体の見せ合いの時はお互いに何をポケモンに持たせているのか分かりませんから。これまでの環境でいうと……例えば「リザードン」なんかはアイテムを読み間違えると痛い目にあってましたね。


リザードンが……?

リザードン(画像は「ポケモンだいすきクラブ」より引用)

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