「まさか菜々緒が押し入れにいたなんて」 みんな驚いた「4分間のマリーゴールド」5話、どんな感情になったらいいの?(1/2 ページ)
福士蒼汰はもっとしっかりしろ!
福士蒼汰主演の金曜ドラマ「4分間のマリーゴールド」(TBS・夜10時~)。人の「死の運命」が見える救急救命士と、余命1年の義姉との禁断の愛を描く。菜々緒がまさか押し入れの中にいるとは思わなかった……! 見ていた人はみんな驚いたに違いない。視聴率は少し回復して7.1%。押し入れ効果だろうか。
魅力的に見えない主人公カップル
「2人で逃げる? それか……元に戻ろっか」
長兄の廉(桐谷健太)に禁断の恋愛関係を知られてしまった姉・沙羅(菜々緒)と義弟・みこと(福士蒼汰)。車の中で密会すると、沙羅はいたずらっぽく語りかける。
このドラマの困った点のひとつに、恋愛ドラマであり、難病(?)ドラマでもあるのに、見てるほうが「どうしてもこの2人を応援したい!」「どうにか助かってほしい!」という気持ちにならないというのがある。象徴的なのが、先ほどのセリフだ。
廉は2人の関係を知って死ぬほど悩んでいるのに、沙羅はほとんど気にしていない(ように見える)。2人で逃げちゃったら、廉も藍(横浜流星)も悲しむだろうに……。みことが困惑していると、今度は姉と弟に戻ろうと提案して、再び困惑させる。まぁ、彼はずっと困惑しているんだけど。
沙羅は何を考えているのかよくわからない。一方、みことは反応が薄い。廉の先輩・原田(橋本じゅん)の妻・理沙(七瀬なつみ)がすい臓がんに倒れ、廉は半信半疑だったみことの能力を認めざるを得なくなる。ということは、沙羅は死ぬということだ。
「本当か? 本当に沙羅は死ぬのか?」
「本当だよ」
「(みことの襟首を掴んで)ぶっふふふふぅぅ(嗚咽する)」
「ごめん」
「オウ、オウ……(嗚咽し続ける)」
みことは内向的な人間で、廉はオラついた人間だというのはわかっている。だけど、あまりにも2人から発する感情の「圧」が違いすぎる。桐谷健太が熱演するほど、福士蒼汰の薄味ぶりが浮き上がってしまう。
廉はぶっきらぼうな態度ではあるが、徹頭徹尾2人に優しい。それでいて、2人のいないところではずっと苦悩している。物語を通じて、もっとも苦悩しているのは間違いなく彼だろう。瀕死の妻の病室でフラダンスを踊る愚かな夫を演じた橋本じゅんも良かった。
しかし、周辺の人たちのことを描きすぎて、肝心のみことと沙羅の描写が弱く感じる。どうにも主人公カップルが魅力的に見えない。それでは本末転倒である。
「違うやり方もあったろ!」
廉とみことと藍は、3人で膝を突き合わせて、対策会議(?)を開く。
「来年の誕生日に、姉さんは、死ぬ運命にある」
淡々と語るみこと、途方に暮れる藍、それでも何とかしようとする廉。三者三様だ。そのとき、みことが恐ろしいことを口にした。
「聞こえた? 姉さん」
みことの背後にあった押し入れの戸を開けると、そこには沙羅の姿が! なぜそこにいる? いや、押し入れのエピソードはたしかにドラマの前半で描かれていたけど、唐突すぎ!
「あたし、死ぬの……?」
すべてはみことの企みだった。沙羅に自分の運命を知ってもらうため、わざと聞こえるようにしゃべっていたのだ。みことはいつから沙羅が押し入れにいたのを知ってたの? っていうか、この伝え方でいいの? 前半で原田の妻へのがん告知についてのエピソードが語られていたが、もし告知するならちゃんと相手の目を見て伝えるんじゃない?
「お前、沙羅のこと、ちゃんと考えたのかよ!」「違うやり方もあったろ!」という廉の言葉にうなずくしかない。
しかし、沙羅は「今のでちゃんとわかった」と言う。みことの能力のことさえ知らなかったのに、自分の運命をあっさりと受け入れてしまった。さらに、これまで他人の死の運命を見続けてきたみことを心配する。ちょっと物分かりが良すぎない?
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