インタビュー

職員室のPCは数台だけ、プリントのコピー代にも困窮 現役中学教員が語る「教育現場の“理不尽な貧しさ”」(2/3 ページ)

「だから、行政は何もしない。『教員の一人一人が頑張ってください』みたいな」。

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いらない備品が捨てられない、教員用のPCが人数分そろえられない……

A:お金の話でいうと、「学校の備品が古過ぎる」というのもあるかな。DVDでさえちょっと古く感じてしまうご時世だけど、いまだにビデオデッキが残ってるよ。今の子どもは知ってるのかな、「昔は磁気のテープを使っていて、見過ぎると切れちゃったりするんだよ」って。

 いまだに昭和ウン十年のものが残っていて、ビックリするね。

―― よく捨てずに残してるねえ

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B:というか、捨てられないんだよ。学校で購入した備品は、基本的に処分するときに許可が必要だし、「これこれこういう理由で捨てます」と説明できないといけない。「もう使わない/使えないから捨てる」でいいと思うんだけど。

 学校にはそういうゴミがいっぱいある。でも、それがあることで新しいものが入ってこない。備品がちゃんと循環していかない。

A:図書室の本なんかの場合、捨てられる冊数が決まっているから、誰も読まない真っ茶色の本が残ってる。「モノを大切にする」みたいな意図なのか分からないけど、あってもムダなら……ねえ?

 そのくせ、マグネットシートはたっぷりあるんだよね。黒板に紙を貼るときとかに使うやつ。

―― どうして?

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B:予算は使い切らないと減らされちゃうから。マグネットシートはどの先生も使うから買いやすい。

A:あと買いがちなのは、ボールペンあたり? 安くて使い勝手がいいのは確かなんだけど、そういうものばかり増えていく。

 本当はお金をためて、教員用のPCとかを買ったほうがいいんだけどね。職員室にPCが数台しかない学校とかもあって、教員たちでシェアして使ってるよ。

 でも、年度ごとの予算は繰越できないから、PCのような高額のものを買おうにもお金をためることができない。しかも、「これはこれに使うお金」とそれぞれ細かく決まってるから、流用もできないんだよね。「このままだとコピーの予算が尽きる」みたいな話の背景には、そういう事情もある。

(続く)

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※本企画は、現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境などは自治体、学校などによって異なる可能性があります。

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