通勤電車を「鮮魚」が貸し切る! ……!? 近鉄に新車両「伊勢志摩お魚図鑑」登場、これは何だ?(1/2 ページ)
伝統ある「鮮魚列車」が56年の歴史に幕(涙)。代わりに後継車両が3月16日にデビューします。
近畿日本鉄道(近鉄)が伊勢志摩の魚介類を車体に描いたラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」を2020年3月16日に導入すると発表。併せて、約56年続いた鮮魚列車は3月13日に引退します。
伊勢志摩お魚図鑑は、2両編成の通勤型車両のうち1両の車体全体に伊勢志摩の海にいるさまざま魚介類を描いた車両です。名物の伊勢海老はもちろん、鯛やフグ、イワシ、マンボウなど43種類が描かれます。
単に魚介を描いただけではありません。伊勢志摩お魚図鑑の主な役割は、伊勢志摩で獲れた魚介類を大阪まで運ぶための「鮮魚運搬」です。何と、急行列車および快速急行列車の最後尾に連結して走ります。通勤電車の一番後ろは鮮魚と行商人の貸切車両という珍しい運行形態になります。
伝統の「鮮魚列車」は3月13日に引退 56年の歴史に幕
近鉄はもともと、3両編成の全車が鮮魚輸送専用である「鮮魚列車」を1963年から運行しています。2020年2月現在、平日と土曜日に1日1往復(宇治山田→大阪上本町、大坂上本町→松阪)走っています。
鮮魚列車は通勤電車の車両を転用したものですが、他の車両と区別するために特別塗装が施されています。前面方向幕の表示も、大阪上本町行きとかではなく、何と「鮮魚」(!)。そのユニークな姿から鉄道ファンから根強い人気があります。2019年9月にはその方向幕が故障したためか、レトロな行先表示板を掲示して話題になりました。
この鮮魚列車は輸送手段の変化により利用者が減少したことから、2020年3月13日に運転を終了します。
なお、2020年3月22日には引退する鮮魚列車と新しい伊勢志摩お魚図鑑、新旧鮮魚車両を並べて撮影できる旅行企画商品「『伊勢志摩お魚図鑑』登場 新旧鮮魚車両撮影会ツアー」も行われます。
鮮魚列車の後継となる伊勢志摩お魚図鑑は、平日松阪駅6時44分発(大阪上本町駅8時46分着)の列車の最後尾に連結して運行します。いつもの通勤電車に連結されたお魚柄の派手なラッピング車両、注目の的になりそうです。
なお、この車両を使ったツアーや、新鮮な海の幸をターミナルまで直送してその場で販売する「市場列車」企画なども計画されているようです。鮮魚専用だった旧鮮魚列車に乗れるチャンスがあるのかも……! 近鉄の新たな鮮魚車両活用の動きも楽しみです
伊勢志摩お魚図鑑 フォトギャラリー
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